tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

新型コロナ対策にみる日米の差

2021年04月07日 20時40分15秒 | 政治
新型コロナ対策にみる日米の差
 IMF(国際通貨基金)は昨日、2021年の世界経済の改定見通しを発表しました。
 予想成長率は6.0%(3か月前の予想はは5.5%)でした。

 昨年の実績見込みはマイナス3.3%ですから、IMFは、コロナ制圧に成功して世界経済の成長率は順調に上昇を始めると見ているようです。いささか楽観的かもしれませんが、そうあってほしいものです。

 ところでこの回復見通しの大きな要因は、アメリカと中国の成長率の上昇が予想されるからとなっているようです。
 確かに、中国経済が回復基調であることは日本の対中輸出が順調といったことからも理解できますが。アメリカもいよいよ対コロナ戦に勝を収め、順調な回復に復帰と見られています。

 アメリカについては、ワクチン接種の急速な進展、それに加えて200兆円にのぼる大型の経済対策が見込まれてのことのようです。

 バイデン政権は、今月中には18歳以上の全員ワクチンの1回の接種は完了という目的だそうで、実行は可能とのことです。現に新規感染者は1日30万人から4万に下がり、この所は5~6万人に増えているようですが、ワクチンの効果を織り込んでのことでしょう。

 これからのアメリカの新規感染者の推移はまさに注目すべきものと思いますが、バイデン政権の戦略とすれば、ワクチンの効果が出たところで、人の動きが活発になり、200兆円の経済対策が効いてくるということではないでしょうか。 経済対策と効果のタイミングも注目に値するところでしょう。

 ところで、日本の方はというと、IMFの見通しでは今回の成長見通しは3.3%で3か月前の予測より0.2%プラスということで、改善幅はドイツやイギリスより低いようです。

 日本の場合、振り返ってみますと、最初の緊急事態宣言は、効果的で、日本は成功例の方に入るのかと思われましたが、その後、政府は安心したのか、小型のマスクを2枚ずつ配ったあり、1人10万円を一律に配ったりしましたが、安心のせいかGoToの奨励など新型コロナを甘く見すぎたようで、第2波から巨大な第3波をよんでしまい、配った10万円も、使うチャンスを逸して預金残高に多分半分以上残ったのではないでしょうか。

 その後はGoToの思惑外れの後始末に大変な手間もカネもかかったようで、前向きのコロナ対策は、ワクチン購入契約ぐらいで、あとは、第2回の緊急事態宣言で国民に行動の自粛を呼びかけるだけ、そして、その解除ものタイミングが最悪で、再々宣言は格好が悪いと思ったのか今度は蔓延防止措置で改めて国民に行動の自粛を呼びかけるという、すべてが後追いに終始しています

 ところで肝心のワクチンは、アメリカ・ファーストで、日本にはなかなか来ません。一昨日、200万回分が来たといいますが、早急に必要なのはその10倍20倍でしょう。単位が一桁違います。  

 すべて外国頼み、他力本願ですから、仕方ないというでしょうが、自主開発の意思を全く持たなかったのは何故か、国民への説明は全くありません。
 GoToもそうですが、やったこと、やらなかったことについて、何故そういう選択をしたのか今の 政府は全く国民に対して説明をしないのです。

 国民は結果から判断するよりないのですが、これでは、我々戦中派が思い出すのは太平洋戦争です。

 あの時も、初戦は日本の勝利の如く見えましたが、アメリカはその技術力と生産力で着々勝利への準備をしました。空母と飛行機、長距離重爆撃機B29、そして原爆・・・。

 それに対して、日本は「大和魂」を連呼し、すべてを国民の忍従と犠牲に依存したのです。

 今も全く同じで、国民の蔓延防止努力に依存するだけで、コロナ制圧の「カギ」であるワクチンをはじめとした学術、研究、開発といった、本当に必要な所には手も打てず、後追い、しり拭いかまけにかまけ、最も重要なことは外国頼みに終始しているのです。
  (蔭の声:そうだ、拉致問題もアメリカ頼みに終始している)

 日本でも、高度成長期に見ますように、学術、研究、開発は、政策よろしきを得れば、決して不可能ではないのです。ノーベル賞受賞者も決して少なくはありません。

 今の日本政府の政策は、どこかでボタンを掛け違いをしているのではないでしょうか。