tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「苦しい時の神(国連)頼み」、ご都合主義の国連利用でいいのか

2019年09月06日 12時18分27秒 | 国際政治
「苦しい時の神(国連)頼み」、ご都合主義の国連利用でいいのか
 中国がWTO(世界貿易機構)にアメリカの今回の関税引き上げは怪しからんと提訴したとのことです。

 これを聞いて、WTOに「正しい判断をしてほしい」と本気で頼んでいるのか、それにしてもよく「WTO頼み」に踏み切ったものだとびっくりしました。

 中国はかつて、南シナ海の大部分を中国領だと主張していることについて、「その主張には正当性がない」とした、仲裁裁判所の判断を「紙屑だ」といって無視した国です。
 今回アメリカの関税政策が、「妥当でない」という判断を得ようとして提訴したのでしょうが、もしアメリカに不利な判断が出た時、アメリカがそんなモノは「紙屑だ」といっても「そうですね」と納得するのでしょうか。

 こうした矛盾は中国に限りません。ロシアはクリミア併合のついての国連の決議に反論して無視を続けていますが、今回アメリカがミサイルの実験をしたことについて中国とともに緊急の安全保障理事会の開催を要請し、アメリカの態度を批判しました。

 こうした現状、主要国が自国の都合によっては国連や国連機関の決定や裁定を無視し、また別の都合については国連や国連機関を利用して自分たちの正当性を主張しようとするという点については、国連設立を主導し、国連本部を自国に置いたアメリカも全く同様です。

 有名なエルサレムへのアメリカ大使館移転などは、国連決議を全く無視しての行動ですが、北朝鮮への制裁については、国連決議を世界中に守らせると躍起になったり、最近は北朝鮮のミサイル発射を(アメリカまではとどかいないからでしょうか)全く気にしていないような態度だったりで、国連無視と、国連頼みを使い分けています。

 こうした国々が国連の中枢の安全舗装理事会を構成しているわけですから、現状では国連がまともに機能することはほとんど望み薄です。
 しかし考えてみれば、これから創られる長い人類社会の歴史を考えてみても、世界をリードしようという大国が、こんなことをしていたのでは人類社会の正常な、安定的発展は望み薄でしょう。

 最近の世界情勢の混乱は、こうしたご都合主義の横行に対して、本来人類社会の在り方を示すべき国連が無力であることの結果でもあるのです。

 ならば、誰かが、世界の国々は本気で国連とその判断を大事にしようと言い続ける必要があるでしょう。
 そんな発言は現状では全く無力かもしれません。しかし誰かが、そして、次第により多くの国々が、声を大きくしてそう発言することが何時かは世界を、人類社会の在り方を変えていくのではないでしょうか。

 第二次大戦後生まれ変わり、国連中心主義を標榜し、平和憲法を持ち、人畜無害で、この70余年、世界経済社会の発展に貢献することだけを生真面目に実践してきた日本は、その役を果たすのに適任ではないかと考える所ですが、どうでしょうか。

厚生年金の加入奨励、加入ベースを広げると・・・

2019年09月04日 11時52分40秒 | 労働
厚生年金の加入奨励、加入ベースを広げると・・・
 厚生労働省は、厚生年金の加入ベースの拡大に一生懸命取り組むことに本気になったようです。

 基本的には、これは大変結構なことでしょう。国民皆年金を誇る日本で厚生年金の役割は大変重要というのは当然です。
 本来厚生年金は、常用雇用者のいる法人、個人事業でも5人以上の従業員がいれば加入する のが原則という事です。

 しかし、加入して厚生年金を受け取るためには、労使折半で掛け金を払わなければなりませんし、最低加入期間もありますから、中小企業の雇用主、また中小企業の従業員(特にパートなど)は掛け金の負担が重いので入らないでおくという選択が多いのは事実です。
 
 その方が雇用主にとっては労働コストの削減になりますし、従業員にとってはその分だけ手取りが増えるわけです。つまり、明日の生活より「今の生活」を優先するという選択です。
 それではサラリーマンの老後が心配という訳で、厚労省は、未加入の企業や従業員に、厚生年金加入のメリットの理解を求め、加入ベースを広げることに改めて努力することになるのでしょう。

厚生年金制度の本来の趣旨から得うれば、加入資格のある人はすべて加入するのが望ましいでしょう。しかし従業員にしてみれば、雇用の不安定、今日の収入が大事、会社も加入をあまり歓迎しないといった種々の障害もあるわけです。

 もちろんこれは公的年金(私的でも)の性格上当然起きる問題で、負担と給付のバランスから言えば、長期的に見れば加入した方がお得ですよというのが年金の理論で、厚労省も加入者ベース拡大に力を入れる理由でしょう。

 しかし同時に考えなければならない事としては、今の年金制度 (制度というより負担と給付のバランス、つまり年金財政) が巷間議論される様に、 将来不安を持つ可能性が高いという事もあるのではないでしょうか。

 今の設計では必ずしも巧くいかない。だからこそ、GPIFなどがマネーゲームで稼がなければなければならないという事になっているのではないでしょうか。

トランプ流財政再建術(半分真面目な笑話)

2019年09月02日 13時51分00秒 | 経済

トランプ流財政再建術(半分真面目な笑話)

 米中の関税引き上げ競争は止まるところを知らない様に見えます。

 トランプさんは、昨日、対中制裁関税引き上げの第4弾を発表し、中国は同時に報復関税を発表しています。 

 端から見れば、なんとまあ馬鹿げたことをと思いますが、本人たちは大まじめで、国のため、国民のためと思って(これは建前かな)やっているということでしょう。

 その一方で、首脳同士の話し合いなどという可能性もうかがっているようですから、本人たちも、「意地を張って続けていてもきりがない」事はわかっているのでしょうが何と非生産的なと思う人の方が多いでしょう。 

 こういう時は、両極端を考えて、現実はその中間にあるのだから、最初から両極端の間のどこかで止まるはずで、それがそろそろか、未だか、もうかと考えれば、行き着く所も想像が付くような気もします。 

 関税ゼロは理想ですが、それぞれの国の発展段階もあり現実は最低必要限といったところが目標でしょう。

 関税無限大というのは貿易をしないということでしょうから、それなら問題は最初からないことになりますが、それも不可能でしょう。 

 結局はどっかで折り合うということしかありません。

 トランプさんはバーゲニングやディールがお好きなようですし、「関税を引き上げるぞ!」といった時、国民が熱狂して支持が上がると読んでいるのでしょう。 

 しかし現実はアメリカ人が中国製品を使いすぎているから貿易赤字になるので、それば関税分だけ値上げになると、困るアメリカ人もいっぱいいるわけで、「やった、やった」と熱狂してばかりはいられないということになります。しかし、まだ、熱狂する人の方が多いと判断しているのでしょうか。 

 などと考えていたのですが、こんな数字を見て、「あれ」と思いました。

 JPモルガンが、上記第4弾までの関税の合計で、家計の負担は年間1000ドルほどになり、トランプ政権がやってきた減税額に匹敵するとの試算を発表したとのことです。 

 財政赤字のアメリカ政府が減税したのですから、何かで穴埋めしたいと思うのは当然でしょう。それがうまい具合に輸入関税で穴埋めできれば、面倒な増税論議などせずに増税、歳入増が図れるのですから、占めたものです。

 トランプさんは「おれは天才だ」と言っていましたから、アメリカ国民も油断は禁物のようですね。


今年のノウゼンカズラは!!

2019年09月01日 15時18分11秒 | 環境
今年のノウゼンカズラは!!  狭隘なる我が家の庭の東端には オオムラサキの木があり、春の開花期には、以前このブログでもご紹介しました。  その隣りにノウゼンカズラを随分前に植えました。今では支柱を立てなくても自立する立派な幹の持ち主で、背丈より少し高い所で毎年枝を払っていますから、そこから枝を垂れて初夏に花が咲きます。  南側の枝は隣の家に入らないように切ってしまいますから、花は北側の枝中心になります。そのせいか、例年蕾は沢山つくのですが、梅雨が明けない時期ですので、花が咲き始めると次々落ち、果ては蕾も落ちて、なかなか綺麗に咲いてくれません。  今年は早く暑くなり、綺麗に咲きそうな感じがしたのですが、その後気温が下がり、雨の日が多くなって、花も蕾も落ちて「残念ですが、申し訳ありません」といっているような姿になりました。  ところがどういう訳か、8月中旬頃から新しい枝が出て、気が付いたら蕾をつけ始めていました。時期遅れですが、巧く咲いてくれるかなと期待していましたら、この1週間ほどで咲き始め、写真のようになり、まだまだ蕾を持つ枝が増えてきています。  先日、 秋海棠が季節を間違えたのではないかと書きましたが、その秋海棠もやっと花が伸び始め、いよいよ秋かという時期に、ノウゼンカズラが、快調な開花を見せています。  いつもなら、もう葉が枯れる時期だから早めに枝を切って幹だけに整理しまおうかというのですが、今年は、まだ元気な深緑の葉に濃い橙色の花房の素敵なコントラストを見せてくれています。  これも気候変動の結果かどうかわかりませんが、有り難いことの「今年はノウゼンカズラが良いね」などと家内と話しながら、当分このコントラストが楽しめそうです。  願わくば、台風が来て一夜にして全滅などということがないように願いたいものです。