tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

脱化石燃料の夢:25%削減のその先

2009年10月21日 20時40分15秒 | 科学技術
脱化石燃料の夢:25%削減のその先
 鳩山首相の「2020年までに、1990年比で25パーセントの温室効果ガス排出量削減を目指す」という発言は、世界的に大きな反響を呼んでいます。

 確かに、日本のような、世界でもトップクラスの省エネ先進国が、さらに大幅な削減を達成することは容易ではないでしょう。もちろん、主要排出国の参加を前提にという条件での発言です。
  この条件は重要で、全世界に協力を訴えることの意味は大きいと思います。日本だけでは出来ないことでも、それをやろうと、世界に働きかけるイニシアティブを「日本」がとったということは今まであまりないことでした。

 ところでこのイニシアティブには、多様な意味が与えられそうに思います。
地球温暖化の防止で地球環境を保全しようという京都議定書の発展の中でというのが最も一般的な意味でしょうが、そのほかにも重要な意味を持ちえましょう。

 化石燃料はいずれ枯渇するといわれています。可採埋蔵量はまだまだ増加するという見方もあります。石炭の有効活用も、メタンハイドレートの開発も言われます。しかし、100年単位で見れば、地球が何億年か何百万年か掛けて蓄積したものを極めて短期に使い尽くすことに変わりはありません。つまりエネルギー源確保の問題です。

 しかも、こうした資源の賦存状況は地理的に偏りがあります。これが富や国力を作り、国際関係のあり方に、国際的な力関係から戦争まで、大きな影響を与えているのが現状でしょう。

 もともと地球上のエネルギーはほとんどが太陽から無償で与えられる太陽エネルギーに由来するものです。年々与えられる巨大な太陽エネルギーのごく一部 を有効活用すれば、高度な文明を構築した人類も、本来の地球の生態系も適切に共存していけるはずです。
そしてそれを可能に出来るのは科学技術でしょう。

 2020年の80年先、22世紀までには、「人類の文明を支えるエネルギーは、脱化石燃料を目指す」といったような、更なる長期目標が人類に共有できれば、その目標を人類全体がシェアすることによって、人類の意識も、そして世界も大きく変わるのではないでしょうか。

 日本がこのイニシアティブをとって、その技術力で、着々実績を上げていく時、日本は世界で最も注目される国、世界で最も必要とされる国となるでしょう。


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