tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日銀の政策に大いに期待します

2024年07月29日 10時35分20秒 | 経済

前回は、冷徹な川柳子の投句を引き合いに、円安の異常な進行に抗った財務省の為替介入を覚めた目で見ている人がいますよという事を書きました。

財務省は国際投機資本のやることが良くないと言いたいのでしょうか、それに抗って、国際的に評判の悪い為替介入をやるようでは、日本政府の経済政策というのははその程度かと思われたのかもしれません。

考えてみれば、日本の一人当たり国民所得が世界のベストテンの常連から40位近くにまで落ちてしまったことへの責任感など微塵もなく、未だに裏金を確保して何とか政権を維持しようとしている自民党政権です。

その政府に何かを期待しようと考えるのは、日本の中の特定の一部の人達という事になってしまっているという現実に、やはり早めに気づかなければ、日本は救われないでしょう。

野党も、言われていますように「俺が、俺が」で、中々頼りになりそうな組織を協力して作るといった努力を好まない人たちのようで、社会には、やり場のない不満が鬱積し、何か日本人の伝統文化になじまない、自分勝手な行動が増えているように感じられます。

何かやろうにも、選挙でも、生活行動でも、どうせダメだろうという閉塞感が強い状態から早く脱出したいというのが、大多数の国民の願いではないでしょうか。

そんな中で当面、国民が望んでいるのは、経済状態がもう少し良くなれば、それなりに安心感が得られるといった経済的な改善への希望でしょう。経済的な安心感は、人のころを多少安らかに出来るものだとはよく言われます。

こうした安心感は、今の政府の補助金を出します、一時金を支給しますでは効果がないのです。一時的な安心感で満足するほど日本人は愚かではありません。必要なことは日本経済を良くすることです。

例えば物価を下げること。これは為替介入で2円ほど円高にしてもダメです。円レートを150円、140円にすることです。日銀短観では企業は140円ほどまでの覚悟はあるようです。

そしてこれが出来るのは日銀だけです。やり方は難しいでしょうが、試行錯誤で試みることが重要です。

もう一つは、積極的な賃金の引き上げをやることです。昔なら経営者に頼むことも選択肢だったでしょう。しかし、今は多くの経営者は、株主の方を向いていますから、これは連合に頼むしかないでしょう。連合に向けた草の根活動、世論喚起が必要でしょう。10%程度の賃上げなら日本経済は十分耐えられるでしょう。

賃金の価格転嫁でインフレが多少進むでしょう。しかしアメリカやヨーロッパほどのインフレにはならないでしょう。その程度なら日本の国際競争力維持は可能でしょう。インフレ対策が必要なら、それは日銀に任せればいいのです。

「漫画・日本経済回復」みたいですが、欧米も、かつての日本も、こうしたことをやって、経済を成長させてきたのです。

これで政治も良くなってくれるといいのですが、それは解りません。