tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

メモリー、記憶装置、人類の進歩を支える日本へ

2024年07月16日 13時44分43秒 | 科学技術

人間の脳は、自分が経験し、見聞きしたことを時系列に整理して記憶することが出来るようになっているという事です。多分、これこそが人間を他の動物と違うところでしょう

多くのことを経験し、知識を吸収し、それを確り覚えていれば、いろいろな面で便利です。ですから人間はできるだけ多くの知識をため込もうとするようです。

「友を選ばば、書を読みて」ですから本は大事でした。蔵書の多い人は尊敬されました。

現役のころ資料室の担当をしたことがあります。高度成長の時代です。先輩に「必要な本は必ず買っておくように」と言われました。一番困ったのは、資料室のスペースに限りがある事でした。「蔵書は無限に増える。資料は化け物だ」と思いました。

今人類もそんな経験をしているのではないでしょうか。

コンピュータが生まれ、紙に書いたり印刷したりの時代より、知識の量は急速に増え、それを活用するための検索も極めて簡単にできるようになりました。

そして人工知能,生成AIが生まれました。

人間の脳は、記憶の必要なものと、不要なものは適当に判断しますが、AIは教えたことは皆覚えています。そしていつでも検索出来ないといけないのです。

そんなに覚えきれないよ、という事は許されないのです。必要になるのは大容量のメモリー、記憶装置です。状況は昔の「資料室」と同じで、知識は「化け物」で無限に増えるのです。

ということで、これからあらゆる面でAIが活用されるようになると、あらゆるところで膨大なメモリーの蓄積が必要になるわけで、メモリー蓄積のための「省スペース」と「省電力」が大きな課題になってきているのです。

メモリーは、古くは磁気テープから、フロッピーディスク、SSDと進歩してきましたが、最近また磁気テープが脚光を浴びることになっているようです。

特筆すべきは、時期テープの場合、今後の技術進歩によっては、省エネ性能では、SSDの何十分の1から何百分の1になるといわれている点です。

ここまで書いてきたのも、これから記憶装置として磁気テープが省スペース、省エネでますます重要になるのではないかという見方があるという事と、もう一つは、磁気テープという事になりますと、日本には富士フイルムとソニーという大変な会社があるという事を多くの人に知ってほしいと思ったからです。(先刻ご承知の皆様には失礼)

磁気メモリーの性能の向上は、磁気粒子を小さくすること,テープ、フイルムを薄くすることのようですが、こうした材料技術は日本の得意技でもあります。「磁気」記憶装置の省エネ性能や、耐久性については、その本来の性質からの有利性があるようです。

人類の知識技術の進歩はこれからも知識をいかに集積できるか、そしてそれを便利に使いこなせるかに大きく依存するでしょう。

その最も基本的な分野で日本が実力を発揮することが出来れば、近頃落ち目の日本ですが、「流石は日本」と言える分野が拡大する牽引力になっていくのではないでしょうか。

この分野での日本の技術力に期待するところです。