tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

核分裂と核融合

2023年06月01日 17時05分01秒 | 科学技術
広く原子力エネルギーと言ったり核エネルギーと言ったりしていますが、今、人類が活用しようといている原子レベルの工夫で、エネルギーを取り出そうという試みには大きく2つの方法があるようです。

既に使われているのは「核分裂」のエネルギーを取り出して使うという方法です。

もう一つ今は未だ研究途上ですが近い将来、人類がうまく利用できるだろうと思われているのが「核融合」によるエネルギーの獲得で、この研究では日本も世界の競争の中でトップレベルを走っているようです。

この2つの方法は、「分裂」と「融合」、つまり正反対の言葉になっているように、大きな違いがあります。

今の原発、原子力発電は、核分裂を利用しています。
一番小さい原子は水素ですが、原発の材料に使われるウラニュウム(ウラン)などになると、原子核が大きすぎて壊れやすくなるようです。

これは壊れると言わずに分裂(核分裂)というのですが、分裂するときに放射線を出します。この放射線の持っているエネルギーを閉じ込めてその熱を使って発電するのが原発です。

ウランは分裂を繰り替ええし、色々な名前の原子に変化して、最後は鉛になって安定します。
問題は、原発の使用済み核燃料も鉛になるまで放射線をだし続けることです。放射線に当たると人体に異常や損傷が出ますから、原発から出る廃棄物や汚染水の処理が大変です。「オンカロ」などという事にもなるわけです。

核融合は、太陽エネルギーの源である、太陽の中で起きている事を人間の手でやろうという事で、これは水素の原子を4つ集めて融合させヘリウムの原子にする際に放出される2個の陽子の持つエネルギーを閉じ込めて発電に使うという方法で、ヘリウムは化合も反応もしない不活性ガスで極めて安定していますから、発電後に問題は残りません。

つまり、核分裂は大きな原子が崩壊(分裂)するときのエネルギーを使うので使った後の使用済み核燃料も長い間放射線を出し続け、その処理の方法が出来ていない(トイレのないマンション)という未完成の技術だという事です。

どちらも、もともとアインシュタインが到達した「e=mc²」という公式「宇宙ではエネルギーと物質は互いに入れ替わっており、その関係は、物質の質量に光の速度の2乗を掛けた値のエネルギーになる」という原理から出発しています。

人類は、結局太陽のマネをして核融合を活用できるようになるといいですね。

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