tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トラブルメーカーとトラブルシューター

2012年08月20日 11時18分17秒 | 社会
トラブルメーカーとトラブルシューター
 歳をとったから特に感じるのかもしれませんが、最近、新聞やテレビを見ていて感じるのは日本でも、最近また、トラブルメーカーが増えてきているのではないか、ということです。
 戦後かなり長い間、思想的な対立や貧しさなどから来る社会的混乱の中で、トラブルメーカーが社会的勢力の一部をなしていた時期がありました。

 労使関係でいえば、経済社会を混乱させればそれで良いのではないかといった考えの人たちが労働運動を率いた時期もありました。混乱、転覆、革命が物事を進める道筋だと思っていた人たちです。

 こうしたトラブルメーカーがグループを作って行動する方式は、しかし、急速に不人気、になり、問題を解決して、先に進もうという、いわば落ち着いた合理的な考えが主流になりました。日本的労使関係が注目されたのは、労働組合も、トラブルシューターの方向に舵を切ったからでしょう。

 学生運動や社会運動もそうでしょうが、日本社会の成熟は、より多くの日本人が、トラブルシューターになった、言い換えれば、「解決指向の日本人が増えた」という事だったのではないでしょうか。
 今回の大震災後の多くの日本人の行動は、巧まずして世界にそれを示し、改めて世界の注目を浴びたという事だったように思います。

 不満があれば、デモや投石、破壊、略奪といった行動が、日本より先進国だと思っていた国でも頻発するのを見て、日本人は今、なにを考えているのでしょうか。
 なんだ、欧米先進国と思っていたが、我々よりおよそ未成熟だったのか、と思っている人たちが多いのか、それとも、我々は温和し過ぎると考えている人が多いのかです。多分、前者が圧倒的に多いと思います。しかし、マスコミにも、日本人は温和し過ぎるという論調が多々見られる事も事実です。

 竹島や、尖閣の問題も同列でしょう。トラブルメーカーになったとしても、結果はいざ知らず、当面、自分は気が済む・・・。考えるのはそこまでで、後は思考停止、という人が、長年の閉塞状態の中で、何となく増えているような気がするのです。
 例えば、隣の家と喧嘩をしようと思ったら簡単で、地境の問題を持ち出せば、平穏な隣人関係も、通常、簡単に争いに発展します。国同士も同じです。

 ただ日本人の伝統的性格を考えれば、縄文以来、トラブルシューターとしていかに知恵を磨くかというのが、本来の日本人の性格だったように感じるのです。力ずくの争い(戦争)に持ち込むというのは、海外から教わった知識ではなかったでしょうか。

 戦争をしない独立国として、今、日本はその本来の知恵を本格的に試されているのです。


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