tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日銀は何をしているのか、政府との関係は?

2018年09月02日 16時26分33秒 | 経済
日銀は何をしているのか、政府との関係は?
 銀行経営が苦難の度を増し、特に地銀などにおいては、存続もままならないのではないかといった意見もある中で、日銀の金融政策は何か動きを止めているように見受けられます。
 
嘗て、「デフレ3悪」で書きましたが、これはデフレが必然的に伴う経済への悪影響で、①消費不振、②利益圧縮、③金融不安(金融の機能不全)という深刻な問題です。

 日本は2013年からの異次元金融緩和で、異常な円高時代から脱出、基本的にはデフレではなくなりましたが、その後も長期にわたって異次元金融緩和がゼロ金利(プラス量的緩和:最近少し見直し)という形で残り、どうもその結果、デフレ3悪の中の3つ目の問題である金融不安、金融の機能不全の問題が次第に深刻化してきたようです。

 もともと、日本の場合、異次元金融緩和は、国際投機資本、マネーゲーマー達に働きかけ、円安を実現するために使った手法(便法)で、日本の場合、アメリカのように金融が回らなくなって、経済活動が動かないことを懸念したのと些か違うように思われます。

 これは、アメリカの不況の深刻化の問題が、もともとサブプライムローンの証券化(不良債権を優良債権に見せかけた)という金融問題から発したのとは違い、日本の場合は、経済の実力に合わない異常なまでの円高を押し付けられたことにあったという事から見れば、ゼロ金利政策(異次元金融緩和)の目的自体が違ったのも当然かもしれません。

 問題は、2度にわたる金融緩和政策(いわゆる黒田バズーカ2発)で40円幅の円安を実現し、日本経済は正常に復したのですが、そこで金融緩和を見直せば、また円高に逆戻りという恐れがあったという事でしょう。

 その怖れを引きずって(2%インフレ目標を口実に)異次元金融緩和を長期に続けてしまったところに問題があったようです。 
 適切な時期に、正常化した円レートの維持は、本来の経済政策、為替政策に委ね、金融政策は金融政策としてまともなものに戻す作業に取り掛かるべきだったのでしょう。

 正常な円レート維持に気を使い過ぎ、異次元緩和を続け過ぎた結果、「金融の機能不全」が残ってしまい、さらにそれが、預金に金利が付かないという問題から「消費不振」につながるという 副作用も持ってしまったという気配です。

 これをまた政府が利用することになったのも、大きな問題です。ゼロ金利なら、国債を発行してもコストは僅少、当然国債の安易な発行につながり、国債残高が巨額になるにつれて、「財政再建を困難にする金利の正常化(引き上げ)は困る」という逆圧力になることは当然考えられます。(最近トランプさんも同じことを気にしていますね)
 
 そういう意味では、苦労は覚悟で、金利の正常化をやらなければならないし、それは1日でも早い方がいいのでしょうが、今、政府と日銀の関係はどうなっているのでしょうか。