tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

FRBは金利正常化の仕上げへ

2018年09月28日 15時01分44秒 | 経済
FRBは金利正常化の仕上げへ
 日米貿易交渉では、昨日のトランプ・安倍両首脳の発言では見られなかった「本当は大変ですよ」「何が起きるか解りませんよ」という解説が今日は軒並み出されているようです。
 TGAと言っても実質はFTAと変わらないことになるから、日本は二国間交渉の土俵に引きずり込まれた、結局日本は譲歩した、先行き大変ではといった解説です。

 これからの展開はトランプさん次第で皆目解りませんが、東京市場の方の反応は何か逆みたいで、昨日は結構な下げ、今日は大幅上げという状況です。

 これは日米交渉の結果を楽観しているのでしょうかというと、それにはまだまだ情報が足りないと思われます。 
 日経平均の上昇の要因は、解説によれば、アメリカの金利の動向、FRBが如何なる方針をもって金融正常化の仕上げに動いているかが、一昨日のパウエルFRB議長の記者会見から読み取られ、その反映でしょうか円レートが予想外の$1=¥130円を超える円安に展開していることが大きいのではないでしょうか。

 過日、トランプさんは111円が望ましいというような発言をしたように記憶しますが、今回のFRBの利上げについてはトランプさんは大いに不満のようです。
 円安になるのと同時に、人民元安にもつながるでしょうから、中國製品に関税をかけても、人民元安になった分は相殺されてしまうので、関税の効果も薄らぐでしょう。

 イエレン議長の時もそうでした。トランプさんのホワイトハウスとFRBの確執が見られましたが、FRBは金融政策は政治とは関係ないとその独立性を明確にしています。
 我々市井の傍観者から見れば、国連総会の演説で満場の失笑を買うトランプさんはポピュリズム堕し劣化したアメリカの姿、FRBの重責を担い金融政策の専門家として生涯を貫くバーナンキ、イエレン、パウエルといった人たちの学殖、識見の方を、アメリカの本来の姿と考えてしまいます。

 アメリカが金融政策の方向を世界に明示したことで、世界各国の金融・経済政策にそれなりの見通しができ、国によるプラス・マイナスは別として、取るべき政策の方向が理解され、世界経済の不安定性を和らげる効果が出てきているのではないでしょうか。
 
 経済や社会を不安定にするのは、先行きがどうなるのか解らないという状態でしょう。その意味で、FRBの意向表明は、基軸通貨国として、取るべき行動を確りと取ったという事ではないでしょうか。(ちょっと褒め過ぎかな?)
 
 さて、日本の中央銀行は、日本の企業や家計の安定感(安心感)促進のためにどう反応を示しどんな政策をとるすのでしょうか。