tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

現在と将来の両立

2017年11月17日 17時13分46秒 | 社会
現在と将来の両立
 人間は、過去という記憶を蓄積して現在に生きています。そして必ず将来を持っています。現在は、過去の時点では将来でしたが、現在はそれが現実になって確定しています。

 現在は多種多様な要因の影響を受けながら、かなりの部分、自らの過去の行動によって規定されてきているようです。

 例えば、安倍総理の現在は、日本の総理大臣として、日本という国をリードする立場に立っています。これは多くの偶然に影響されながらも、自らの過去の中で、いつかこの地位に就くことを夢見て積み上げてきた行動に大きく依存しているでしょう。

 勿論同じような行動を積み上げて来ても、そうならない場合もあります。結果は多様な偶然にも大きく影響されるからです。しかし、本人が失敗しなければ、目指す所に近い、これでもまあいいかといった所までは達する可能性が高いようです。

 逆に、今は過去である当時の現在において、何らかの原因で、将来を考えない行動をとったことによって、それまで考えていた将来が全く実現不可能なるという場合も非常に多いのが人生でしょう。
 最も極端は場合は、現在の衝動に駆られて、自殺をすれば、その時点で将来は無くなります。

 動物は、その発生以来、本能に従って、生き延びることを次第の目的にしてきました。人間も、A.マズローの欲求5段階説ではありませんが、先ずは生理的欲求、安全欲求、つまり生存欲求から出発するのでしょう。具体的に言えば、食べるものがない、何かに襲われないかという不安から逃れる欲求です。それが可能になって、はじめて将来がある事になります。

 こう考えてみると、将来において過去となる現在の生活において、常に将来のことを考えて行動(生活)することが必要なことは当然です。
 しかし、困ったことに、あるいは不思議なことに、人間は、往々にして、現在にばかリを重視し、将来のことを考えない行動をとるのです。

 怒りに任せて人を傷つけたり、今、カネがないからと盗みをしたり、先ほどの自殺の例もそうです。
 確かに現在は重要です。人間の生きているのは現在です。しかし、将来は、何時か現在になるのです。そしてその将来は、現在の行動に大きく依存しているのです。

 という事になると、将来を破壊するような現在の行動は、将来の有ることを忘れた行動、結局は、長期的視野を欠く思慮深さのない行動ということになります。
 やはり人間は、どんな場合でも、現在と将来を両方見ながら、行動が出来ないといけないのでしょう。

 人間は長く生きるのです、今の政府は100年と言っています。その中の各時点である現在において、人間は常に「現在と将来の両立」を意識していないといけないのでしょう。

 その上で、問題は、現在において、「現在と将来のバランス」をどう考えるかです。刹那主義や享楽主義も、極端な先憂後楽も、良いバランスではないようですが、このバランスはまさに個々人の人生観、生活設計の在り方によるのでしょう。

 この問題意識は、個人の人生だけでなく、企業の行動から国際関係まで、多くの場面に共通のような気がしています。