tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

国民の選択は当面現状維持に?

2017年10月23日 10時49分28秒 | 政治
国民の選択は当面現状維持に?
 第48回衆院選の結果が明らかになりました。与党圧勝でした。

 この結果について、想定内と思っておられる方、予想外の結果と思っておられる方夫々と思いますが、ここまで与党圧勝とは・・・。私もびっくり。

 おそらく安倍さんも予想外の結果にびっくりしておられるのではないでしょうか。何せ目標は過半数と謙虚な姿勢でした。圧勝の予測が既に出ていたにも関わらず、安倍さんが立候補者の名前の上に赤いバラをつけるときの表情に笑みが無かったことに気づかれた方も多いでしょう。ここで勝ち誇った顔はまずいと考えられたのでしょうか。

 いずれにしても、選挙はありましたが、今後の政権運営は、基本的には選挙が無かったのと同じことになって続いていくのでしょう。首班指名が終われば、安倍さんも今までと同じになるのでしょう。

 激震(?)を受けたのは野党の方でしょう。枝野さんの立憲民主だけが野党第一党に躍り出ましたが、ほとんどが思わざる痛手を受け、特に希望の党は惨敗でした。
 組織票といわれえる共産党も当選者が減り、同じく組織票といわれる与党公明党も減らしました。
 何か、組織というものが、統合から分裂へという最近の風潮を映したように感じられます。

 当初感じられたように、今回の選挙は、安倍政権への反発というバネで、自民党支配という長い歴史に、信頼に足る安定した、まともな政権交代の受け皿の形が、なにかしら見えてきて、二大政党政治体制に近づく第一歩になるのかなという事だったようですが、矢張り一強多弱の多弱が糾合して力を持つという所には遠かったようです。

 希望の党との合体を考えた前原構想はその方向へのユニークなものだったのかと思いますが、政治の世界の「根回し」という視点から見れば、あまりに拙かったし、希望サイドの小池さんの対応も、些か読みが足りないもので、結果は失敗だったようです。
 信念を守った立憲民主の躍進(?)もこの規模では現状を変えるものにはなり得ません。

 結局、国民は野党のゴタゴタを見て、選挙までの短い期間に、急速に知名度のある与党候補者支持に変わっていったような気配が、種々のデータから見られるように思います。

 こうした結果を受けてでしょう、今日の日経平均は、これまでの15営業日連続の状況をそのまま受けて、200円超の値上がりです。日本企業の堅実な歩みを素直に反映し、その上にマーケット特有の保守性を上乗せしたという事でしょうか。

 この間まで、森友、加計、多様な忖度、記録があったりなかったり、そんなことで空転していた政治ですが、選挙があっても、何も変わらず、相変わらずこれまでのようなことが繰り返されるのをまたニュースで見ることになりそうな気がしてなりません。