tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

刀狩り、銃規制、核兵器管理

2017年10月07日 21時56分28秒 | 社会
刀狩り、銃規制、核兵器管理
 以前、刀狩りと核兵器禁止条約について書きましたが、今回はアメリカで恐るべき事件が起きました。流石に銃規制に消極的なアメリカのライフル協会も、殺傷力を格段に強める改造用の付属品の規制については規制容認の方針を出したようです。

 豊臣秀吉の刀狩りは、秀吉が、天下を治めやすくするために考えたことでしょうが、同時に、争いの絶えない市中で、争いが人の殺傷にまで及びにくくするということも当然考えられてのことでしょう。

 刀、ナイフ、ライフル、拳銃など、人の殺傷能力の高いものは、使い方によっては、いつでも「凶器」となるわけですから、市民の平穏な生活のために通常の人たちは所持しないようにするというのは、世界の常識だろうと思っています。

 アメリカは、いわゆる開拓時代の記憶がまだ残っているせいでしょうか、銃規制には基本的に反対の意見が強いようで、トランプさんも、ライフル協会の意見を尊重していました。
 銃の所持に寛容でも、特に凶悪な事件を助長するといったことはないという自信もあってのことでしょうか。

 しかし今回の事件は、些かひどすぎたようです。犯人の行動の原因はまだわからないようですが、いずれにしても、こんなことが起きるのであれば、殺傷能力を極端に強める改造用付属品は規制の対象にすべきという事になるのでしょう。

 ところで、核兵器になりますと、その殺傷能力は、そんなものとはケタ違いです。人の殺傷どころか、地球人類(生物)の破滅さえも齎しかねないものです。
 だからこそ「核兵器禁止」「核兵器廃絶」の声は世界中に広がっているわけで、人類の願望としては、まさにその通りです。しかし、では具体的にどうすべきかという困難な問題がついて回るのが現実世界でしょう。

 今、北朝鮮の核の問題は、地球人類の大問題です。
 国連常任理事会の5か国以外にも、核拡散防止条約を批准せず、核兵器を持つ国は存在しますが、結局黙認されているという事は、それらの国は、持っていても使うことはないだろうという暗黙の了解があるという事でしょうか。

 しかし、さらに拡散すれば、現実に使われる可能性も高くなり、人類全体が不安にさらされます。刀や銃の程度であれば、国が責任を持って管理するのが一般的ですが、しかし国と国との争い、戦争になると、刀も銃も大砲も爆弾も国が使用を認めるのです。

 核兵器のような究極の兵器を国別管理にしておくことでは、今の米朝のように、脅し合いか一触即発か、地球人類の不安は絶えません。かといって、国連決議が効果を持つかというと、現状の通りです。

 矢張り未だに人類は、こうした人類全体のガバナンスの問題に全く成功していないのです。人類社会の秩序と安寧を願って生まれた国連を、権威の無い組織にしたり、抗争の場にしたりしているのは、常任理事国でもあるのです。
 まだまだ人類は、大事なのは人類でなく自国のようです。

 にも拘らず、武器、兵器の殺傷能力は、国レベルのガバナンスではどうにもならない、地球レベルの破壊力、殺傷能力にまで進んでしまっています。
 これから人類は、このギャップをどう埋めていくのでしょうか。