tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「文殊の知恵」が泣いている

2016年09月17日 14時59分31秒 | 経営
「文殊の知恵」が泣いている
 「3人寄れば文殊の知恵」、日本には巧い諺があります。
 ごく普通の人間でも、3人集まっていろいろな意見が出れば、なかにはひょっこり「こんな知恵もあったのか」というようないい知恵が出ることもありますよという経験が諺になったのでしょう。

 最近の言葉で言えば「ブレーンストーミング」でしょうか。出来るだけ勝手に自由な意見を出すようにするのがコツという事になっています。

 こんなことを書いたのも、日本の国家的事業である高速増殖炉「もんじゅ」が、1兆円も使いながら二進も三進もいかない状態になっているという、考えられないような事態が連日報道だれるからです。

 1995年のナトリウム漏れ以来、ほとんど休止状態という事のようですが、そうした中でいろいろな事故があり、事故防止のために多くの点検作業があるのでしょうが、報道によれば1万件近い点検漏れなど、通常の企業では考えられないような多くの問題が起きているようです。

 勿論、世界の最先端の研究のための実験炉ですから難しさは特別でしょうが、そこで仕事に携わる方々も、それぞれの分野で選ばれた方々でしょう。
 そうした人材を擁しながら、点検漏れなどが多発し、仕事が報道されるように停滞しているというのです。

 日本人はもともと一般的に真面目で勤勉です、そうした中でも優れた人たちを集めて行われている事業が、巧く行かないという事態の場合、私の癖ですが、つい考えてしまうのはマネジメントの問題です。

 人事管理・人材開発の世界では常識ですが、マネジメント次第で、そこで働く人たちのやる気、それを結集した組織の凝集力や能率は何倍も違ってきます。
 すでに累計1兆円を使ってやっている国家的企業です。国としてのマネジメントはきちんと出来ているのでしょうか、などとついつい考えます。

 報道では、今の管理体制ではだめで、かと言って新しい管理体制と言っても難しい、といった状態のようです。おそらく、トップ・マネジメントとしての国のマネジメントに問題があるのでしょうと感じてしまいます。
 これは岡目八目の私の受ける感じですが、現体制の中では、誰もやる気が起きないような状態なのではないでしょうか。

 先日、「 5回のなぜ」を書きました。日本企業の現場で使われている、何故を5回繰り返せば、真の原因に到達することが出来るという経験則のルール化です。
 「もんじゅ」の問題にも、現場から管理機構、トップ・マネジメントまで、多様な場でそれぞれに、皆でこれをやって、まさに「文殊の知恵」を集めてみたらいかがでしょうか。