tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「機能性」製品は日本に似合う

2014年12月05日 11時57分27秒 | 科学技術
「機能性」製品は日本に似合う
 最近いろいろなところで「機能性」という言葉に出会います。どんな機能性があるのかと中身を見ると面白かったり感心したり驚いたりして、大変楽しいものです。
 
 炊飯器や調理台などの食文化の世界では「高機能」という言葉も使われ、より美味しいものがより容易にできるようで有難いことです。

 高機能にはhigh gradeという英訳もあるようですが、「機能」といえばやはりfunctionalでしょう。高機能素材というのがいろいろ出ていますが、我々の日常生活で馴染みの深いのは繊維です。
 夏暑い時はクールに感じる素材、汗をかいてもすぐに乾く速乾性素材、寒くなれば、吸湿発熱繊維、蓄熱保温素材、遠赤外線放射素材などなど。
 そのほか、抗菌とか難燃とか、紫外線遮蔽、帯電防止、消臭などなど化繊、合繊の世界では本当に多様なものがどんどん出て来るようです。

 食料品の世界では、疾うに機能性食品は厚労省や消費者調の許可マークがついて広く出回っていますが、こうしたものの「機能性」も急速にレベルが上がっているのではないしょうか。
 先日新聞で、水耕栽培でカリウムの少ないレタスが出来て、透析をしている方々から喜ばれているという記事もありました。

 高機能の例はまだまだありますが、こうした芸術的までにキメの細かいものを作り上げるのは日本人の特性かもしれません。
 ドイツではビールは4つの原料(麦芽、ビール酵母、ホップ、水)からつくられたものでなければならないそうですし、フランスのワインは葡萄の種類が限られていて、甘みの強い(生食用に多い)ブドウで作ったものはfox flavor といって嫌われるそうですが、日本では、ビールは第1から第3まであり、ワインでは巨峰ワインもありますし、さらには、甘夏ワイン、ブルーベリーワインも人気です。

 こうしたことになるのも、日本人の中には「繊細な感覚」と「心の寛大さ」という一見相反するような要素が共存しているという特性があるのかもしれません。

 繊細な感覚は勤勉さを伴って、時にはバラパゴス化などと揶揄されますが、実はそれこそが機能性製品の開発花盛りの原動力ではないでしょうか。
 これから世界でも広く需要の増えるであろう機能性素材、機能性商品、高機能製品はまさに「日本に似合う」分野のように思われます。