円安で輸出企業・輸入企業の明暗への合理的な対処法
前回提起した第1の問題、円安で輸出企業は儲かるが、輸入企業は損ばかりという現実に対してどう対処すべきかという問題を考えてみましょう。
円安というのは円の価値が国際的に見て下がったということです。だから外国から買うものは高くなります。それでも円安の方が良いから、日銀も無理して円安にしたわけけです。そして確かに日本経済は復活しました。
多くの人は、「輸出企業は得して、輸入企業は損する」と言います。その通りですが、その論で行くと今は輸入の方が多い(貿易赤字)のですから、損をする方が多いということになります。しかし日本経済は復活しました。何故でしょうか。
円安で影響を受けるのは輸出企業と輸入企業だけではありません。日本経済全体です。日本経済全体のコスと物価が円安の分だけ国際比較して下がるのです。当然競争力は強くなります。損得勘定は全て円高になった時と反対です。
国内産業と思いがちな観光地の旅館でも、国際競争力が強くなって、海外からの観光客が増えています。円安の恩恵は、本来日本の津々浦々まで行きわたるべきものです。
そうした本来あるべき状態に出来るだけ近づけていくような政策(政府だけでなく、全ての産業・企業がとるべき)とは何でしょうか。
まず、円安で輸入価格が上昇した分はきっちり計算して確実に価格転嫁することを奨励することです。もちろん便乗値上げは駄目です。
それが当然の経済行動(商習慣)になれば、輸入関連企業が損ということはありません。
それで物価が上がっても、輸入依存度はGDPの約1割です。2割の円安でも物価全体に与える影響は2パーセントで、こんな円安がいつまでも続くことはありませんから、1~2年の一過性の上昇です。
更に必要なことは、国内のコストと価格が下がるわけですから、輸入品より国産品が有利になります。このメリットを徹底的に活用することです。完成品でも部品でも、サービスでもすべて日本品、日本のサービスが円安分だけ有利になります。これを意識して確り活用することです。円高の時安い外国品が入ってきたのと反対です。
こうした動きには、多少時間がかかります。しかし企業も消費者も(円安が続く限り)自然に対応していくでしょう。
ついでに、原油価格値上がり(最近は下がっていますが)などの、海外インフレの影響について考えてみましょう。
海外で価格上昇が起き、日本で輸入価格が高くなるのは、いわゆる輸入インフレです。これは、経済用語で言えば、「交易条件の悪化」で、例えて言えば、原油価格が高くなった分だけ、日本から産油国に貢物をしたということです。
ですからこれには、国内政策で対抗することは出来ません。きちんと価格転嫁して、貢物の分だけ減少したGDPで国民が我慢するしかないのです。
第一次オイルショックの時は、賃上げで取り返そうとしましたが、それは大幅インフレ(26%)とゼロ成長を齎しただけでした。
原油が値下がりすればその分は返ってきます。
今の経済論争には、争点の不明確な選挙戦に無理して争点を作っているような面があるのではないでしょうか。ほとんどの問題は時間が解決する性質のものです。
前回提起した第1の問題、円安で輸出企業は儲かるが、輸入企業は損ばかりという現実に対してどう対処すべきかという問題を考えてみましょう。
円安というのは円の価値が国際的に見て下がったということです。だから外国から買うものは高くなります。それでも円安の方が良いから、日銀も無理して円安にしたわけけです。そして確かに日本経済は復活しました。
多くの人は、「輸出企業は得して、輸入企業は損する」と言います。その通りですが、その論で行くと今は輸入の方が多い(貿易赤字)のですから、損をする方が多いということになります。しかし日本経済は復活しました。何故でしょうか。
円安で影響を受けるのは輸出企業と輸入企業だけではありません。日本経済全体です。日本経済全体のコスと物価が円安の分だけ国際比較して下がるのです。当然競争力は強くなります。損得勘定は全て円高になった時と反対です。
国内産業と思いがちな観光地の旅館でも、国際競争力が強くなって、海外からの観光客が増えています。円安の恩恵は、本来日本の津々浦々まで行きわたるべきものです。
そうした本来あるべき状態に出来るだけ近づけていくような政策(政府だけでなく、全ての産業・企業がとるべき)とは何でしょうか。
まず、円安で輸入価格が上昇した分はきっちり計算して確実に価格転嫁することを奨励することです。もちろん便乗値上げは駄目です。
それが当然の経済行動(商習慣)になれば、輸入関連企業が損ということはありません。
それで物価が上がっても、輸入依存度はGDPの約1割です。2割の円安でも物価全体に与える影響は2パーセントで、こんな円安がいつまでも続くことはありませんから、1~2年の一過性の上昇です。
更に必要なことは、国内のコストと価格が下がるわけですから、輸入品より国産品が有利になります。このメリットを徹底的に活用することです。完成品でも部品でも、サービスでもすべて日本品、日本のサービスが円安分だけ有利になります。これを意識して確り活用することです。円高の時安い外国品が入ってきたのと反対です。
こうした動きには、多少時間がかかります。しかし企業も消費者も(円安が続く限り)自然に対応していくでしょう。
ついでに、原油価格値上がり(最近は下がっていますが)などの、海外インフレの影響について考えてみましょう。
海外で価格上昇が起き、日本で輸入価格が高くなるのは、いわゆる輸入インフレです。これは、経済用語で言えば、「交易条件の悪化」で、例えて言えば、原油価格が高くなった分だけ、日本から産油国に貢物をしたということです。
ですからこれには、国内政策で対抗することは出来ません。きちんと価格転嫁して、貢物の分だけ減少したGDPで国民が我慢するしかないのです。
第一次オイルショックの時は、賃上げで取り返そうとしましたが、それは大幅インフレ(26%)とゼロ成長を齎しただけでした。
原油が値下がりすればその分は返ってきます。
今の経済論争には、争点の不明確な選挙戦に無理して争点を作っているような面があるのではないでしょうか。ほとんどの問題は時間が解決する性質のものです。