tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

マグロ、ウナギ、クジラ(真面目な話と笑い話)

2014年09月23日 10時05分33秒 | 社会
マグロ、ウナギ、クジラ(真面目な話と笑い話)
 日本人は昔から、いろいろな海産物を食べるのが大好きで、日本の食文化を育ててきましたが、日本の食文化がこのところだんだん世界に知られたり広まったりして、いろいろ問題が起きています。

 昭和20年代の終わりから30年代の初めにかけて大学生でしたが、その頃のアメリカ人の先生が「生の魚を食べるのは日本人とエスキモーぐらい」などと言っていました。

 そのころはraw fishという表現でしたが、今はそんな言葉は使わず、SUSHIやSASHIMIという言葉でアメリカ人の大好物にもなっています。

 代表格はマグロのトロかもしれませんが、そのマグロ(クロマグロ)資源が減ってしまうということで、マグロの幼魚の漁獲の制限が決まったようです。

 ウナギの蒲焼も次第に外国でも好まれるようになって、それだけではなく、幼生の「シラス」を取って日本に輸出するビジネスも繁盛、シラスの漁獲制限も決まりました。

 いずれも美味しいものをいつまでも食べられるようにしようという、知恵の結果(成果)でしょう。
 日本ではさらに進んで、採卵・孵化から完全養殖しようという取り組みも進んでいます。やはり日本人の海産物に対する思い入れは、世界で最も強いのかもしれません。

 クジラの場合は少し違うようです。オーストラリアなどが「クジラ(イルカも)を食べる(殺す)こと自体が怪しからん」という考え方を持っていて、世界では結構同調者が多く、調査捕鯨でクジラの生態・生態系を調査するという日本に種々圧力がかかります。

 もともと「食べるべきでない」ものの資源調査をしても意味はないというのでしょうか。しかも調査で捕獲したクジラを食べているのは益々怪しからん、クジラを食べる日本人は異常だということのようです。

 先日自民党本部の食堂で、クジラ肉のカレーやステーキを始めたという報道記事があり、日本の食文化を内外に示すためという解説もありました。
 これではまさに、食文化の対決の様相です。
 「今の日本の南極海の調査捕鯨は認められない」という判決を出した国際司法裁判所が、今後問題がエスカレートしてきた場合、食文化の対立まで裁くのかどうか、法律に弱い私にも興味があります。

 経済問題のサイドから見てみますと、オーストラリアは日本に牛肉の輸出をしたがっています。経済的には、日本がクジラを食べなくなれば、牛肉輸入が増えるという理屈も成り立つわけですが、そんなことを言ったらオーストラリアは怒るでしょうね。