日本経済の構造改革:官民バランスの視点
前回、国債を引き受ける民間の余裕資金も次第に底をつく可能性があると書きました。
かつて論じましたように、日本は基本的にアリ型の国で、キリギリス型ではありません。
今の高齢者は戦後の貧しい時代から生き抜いて豊かな日本を作り上げた世代ですが、その結果、有難いことに、それなりの貯蓄を持つことが出来ました。
もちろんこれは統計的な話で、高齢者が皆貯蓄を持っているわけではありませんが、トータルとして多ければそれは、国債を買うという形で政府の赤字のファイナンスを可能にします。
貯蓄選好の強い「アリ型」の国民を持った日本政府は、安心して国債発行が出来、大変「アリガタ」い、という所でしょう。
しかし、高齢者は年金以外収入がないのが普通ですから(国債の金利は生活費の足しになるようなものではありません)貯蓄を取り崩して生活することになります。
貯蓄を食い潰すような生活パターンになると、日本人はどうしても節約志向になり、消費は伸びにくいということが考えられます。消費景気というのは難しいのかもしれません。
消費税の再引き上げの方はどうなるかわかりませんが、消費景気にはマイナスでしょう。
賃金を上げて、若い人を含め消費を活発にするという方法、これには少し時間が必要でしょう。あるいは、金利水準を上げて以前のように、貯蓄が1千万あれば、年間利息が40~50万円入るようになればいいのでしょうが、そんなことになったら、国債利払いで政府が破綻するでしょう。
しかし、今後、中・長期的には金利上昇の可能性は十分ありますので、政府は財政支出の抑制を考えなければならなくなることは、避けられないでしょう。
国会議員の定数の削減、公務員数の削減、公務員の賃金水準の見直しと先ず隗より始めるべきでしょうし、人気取りの財政大盤振る舞いも難しくなりそうです。
国際情勢もこれあり、景気回復は進むとしてもペースは急速ではないでしょう。安倍さんも焦らないことです。
そして、今後重要になるのは、経済における「官民バランス」をどうとるかという視点と思われます。政府が国民から借金して勝手に使うという今までのスタイルは、基本的に見直されることが必要でしょう。
「最後は金目」の財政資金が厳しくなれば、政府は金を使うだけではなくて、より多く頭を使わなければならなくなるのではないでしょうか。
前回、国債を引き受ける民間の余裕資金も次第に底をつく可能性があると書きました。
かつて論じましたように、日本は基本的にアリ型の国で、キリギリス型ではありません。
今の高齢者は戦後の貧しい時代から生き抜いて豊かな日本を作り上げた世代ですが、その結果、有難いことに、それなりの貯蓄を持つことが出来ました。
もちろんこれは統計的な話で、高齢者が皆貯蓄を持っているわけではありませんが、トータルとして多ければそれは、国債を買うという形で政府の赤字のファイナンスを可能にします。
貯蓄選好の強い「アリ型」の国民を持った日本政府は、安心して国債発行が出来、大変「アリガタ」い、という所でしょう。
しかし、高齢者は年金以外収入がないのが普通ですから(国債の金利は生活費の足しになるようなものではありません)貯蓄を取り崩して生活することになります。
貯蓄を食い潰すような生活パターンになると、日本人はどうしても節約志向になり、消費は伸びにくいということが考えられます。消費景気というのは難しいのかもしれません。
消費税の再引き上げの方はどうなるかわかりませんが、消費景気にはマイナスでしょう。
賃金を上げて、若い人を含め消費を活発にするという方法、これには少し時間が必要でしょう。あるいは、金利水準を上げて以前のように、貯蓄が1千万あれば、年間利息が40~50万円入るようになればいいのでしょうが、そんなことになったら、国債利払いで政府が破綻するでしょう。
しかし、今後、中・長期的には金利上昇の可能性は十分ありますので、政府は財政支出の抑制を考えなければならなくなることは、避けられないでしょう。
国会議員の定数の削減、公務員数の削減、公務員の賃金水準の見直しと先ず隗より始めるべきでしょうし、人気取りの財政大盤振る舞いも難しくなりそうです。
国際情勢もこれあり、景気回復は進むとしてもペースは急速ではないでしょう。安倍さんも焦らないことです。
そして、今後重要になるのは、経済における「官民バランス」をどうとるかという視点と思われます。政府が国民から借金して勝手に使うという今までのスタイルは、基本的に見直されることが必要でしょう。
「最後は金目」の財政資金が厳しくなれば、政府は金を使うだけではなくて、より多く頭を使わなければならなくなるのではないでしょうか。