tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

スマートグリッドに思う

2009年04月07日 11時12分21秒 | 科学技術
スマートグリッドに思う
 電力消費は、まさに景気の一致指標です。
 電力は、産業であれ、家計であれ、その活動の根幹を支えていますから、工場や家庭の活動が活発かどうかは、電力消費の増減を見れば、すぐわかるといいます。
 マネタリーベースで見れば、金融が血流だといわれるように、経済の実態的、物理的活動の血流として電力はまさにその代表格ということでしょう。

 その電力の世界に、いまや革命が起こりつつあります。革命の起こりつつある分野は大きく3つあるように思います。
① 発電の多様化、分散化: 太陽光発電、風力発電、燃料電池など
② 蓄電技術の進歩: リチウムイオン電池をはじめ多様な電池の急速な開発など
③ 省エネ技術の進捗: 省エネ技術、省エネ発光体の急速な進歩など
 これらの技術革新は、現状、実用化は徐々ではありますが少し長い目で見れば、電力の発電、送電、消費まで、そのあり方を抜本的に変えてしまうように思います。

 この変化は多分、従来の原子力、火力、水力利用の巨大な発電所から、電力消費の末端まで確実に電力が届けばいいという従来の送電システムでは、全く対応できない革命でしょう。

 家庭や地域の到る所で、いろいろな規模の発電が行われ、送電の流れは多様になり、状況に応じてかなり自由に蓄電されたり再放電されたりすることになるのでしょうから、これまでの巨大発電所からの一方通行の送電網とは一味違った電力網の整備が必須になるということでしょう。

 すでにそうした「知能を持った送電網」に名前がついていて、スマートグリッド(賢い格子)と呼ばれることになっているようです。

 現状、日本は、このスマートグリッド構想では出遅れているので、世界でもトップクラスの日本の太陽光発電や蓄電の技術は、その製品市場をもっぱら海外に求めているようですが、早くこの面でも日本が世界のトップに立って、電気エネルギー活用のでは、日本列島が世界のショールームになるよう頑張りたいものです。