司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

調停調書の抄本

2020-08-20 13:06:12 | 家事事件(成年後見等)
京都家庭裁判所
https://www.courts.go.jp/kyoto/vc-files/kyoto/file/030403_sonota_syo_TouhonShinsei_ki.pdf

 交付申請書記載例に「調停調書省略謄本(戸籍届出用)」「調停調書抄本(年金分割請求用)」とあるとおり,例えば離婚に関する調停調書については,「戸籍届出」や「年金分割請求」のために使用する抄本の交付を受けることができる(家事事件手続規則第126条第1項前段の規定による同規則第34条の規定の準用)。

 調停調書には,離婚の事実だけでなく,養育費,慰謝料,財産分与,面会交流の方法等々の事項が記載されるので,手続に必要な最小限度の事項のみを記載した抄本は,広く利用されているようである。

 司法書士の場合,業務においてこれらの抄本を目にすることはほぼないので,存外に知られていないように思われる。

「調停調書」の項にも「抄本」とあるので,例えば遺産分割に関する調停調書についても,ケースによっては,抄本の交付を受けることができるのであろうか。想定し難いが。
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家賃債務保証業者に対する消費者契約法に基づく不当条項使用差止請求訴訟

2020-08-19 17:28:58 | 消費者問題
岡田愛「住宅等の賃貸借契約の賃借人との保証委託契約に基づいて賃貸借契約の連帯保証人となった家賃債務保証業者に、賃貸借契約の無催告解除権を付与する旨の条項について、消費者契約法10条該当性が否定された事案」by westlawjapan判例コラム
https://www.westlawjapan.com/column-law/2019/191209/

 岡田愛京都女子大学教授による大阪地裁令和元年6月21日判決の評釈である。

cf. 家賃債務保証業者「フォーシーズ株式会社」に対する差止請求訴訟についての大阪地方裁判所2019年(令和元年)6月21日判決について(一部認容)by 消費者支援機構関西
http://www.kc-s.or.jp/detail.php?n_id=10000931

 本訴訟については,NBL令和2年8月15日号の巻頭言で,山野目章夫早稲田大学教授が「消費者契約法12条という可能性」と題して,コメントをされている。
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取締役等の報酬等として金銭の払込み等を要しないで株式の発行 等をする場合における会計上の取扱い(続)

2020-08-18 18:02:45 | 会社法(改正商法等)
第438回企業会計基準委員会の概要
https://www.asb.or.jp/jp/project/proceedings/y2020/2020-0729.html

 令和元年改正会社法に関する下記の公開草案の文案について審議事項とされたようである。

 そろそろであろうか。

cf. 令和2年6月8日付け「取締役等の報酬等として金銭の払込み等を要しないで株式の発行 等をする場合における会計上の取扱い」
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12歳で起業した社長

2020-08-18 16:27:14 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62635150U0A810C2X11000/

「起業の準備を色々と調べていくと、15歳未満なので法人登記の際に必要な印鑑証明がとれないということを知った。なので、母親が代表取締役、僕が取締役社長という『親子起業』という形で、中学1年生の冬に起業した」(上掲記事)

 取締役会設置会社にしたようである。

 テクニカルな方法によれば,「代表取締役」になることも可能であるが・・。

cf. 平成23年7月22日付け「小学生が代表取締役になることは可能か」
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「コロナで住民登録が増えた 「刑務所の町」の異変とは?」

2020-08-17 11:56:14 | いろいろ
朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/ASN8G6X4QN8GIIPE00S.html?iref=comtop_8_01

 特別定額給付金の申請のために住民登録が増えたという。

「再犯・累犯者が対象の月形刑務所は、刑期の長い受刑者が多い。入所前の居住地の住民票が自治体の職権で消除されていることもあり、町役場では各地の自治体への問い合わせに追われた。刑務所側も担当者が役場に来られない受刑者に代わって住民登録手続きを代行するなど、受給実現に協力。受刑者80人以上が同町に申請したという。」(上掲記事)

 職権消除には,こういうケースもあるんですね。
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面会交流に関する立法不作為訴訟,東京高裁も棄却

2020-08-13 17:45:26 | 家事事件(成年後見等)
共同通信記事
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6368226

 東京高裁は,面会交流権について,「憲法上保障された権利とは言えない」と判断。
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京都市「令和2年度所有者不明空き家に係る財産管理人選任申立業務に関する公募型プロポーザル参加者募集について」

2020-08-13 13:49:18 | 空き家問題&所有者不明土地問題
令和2年度所有者不明空き家に係る財産管理人選任申立業務に関する公募型プロポーザル参加者募集について by 京都市
https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000273610.html

 京都市が,所有者不明空き家に係る財産管理人選任申立業務について,公募型プロポーザル参加者募集を開始。
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「会社計算規則の一部を改正する省令」が本日公布

2020-08-12 09:09:37 | 会社法(改正商法等)
官報
https://kanpou.npb.go.jp/20200812/20200812h00309/20200812h003090002f.html

「会社計算規則の一部を改正する省令」(令和2年法務省令第45号)が本日公布された。

 企業会計基準委員会は,令和2年3月31日,改正企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」及び企業会計基準第31号「会計上の見積りの開示に関する会計基準」等を公表しており,本改正省令は,これを受け,会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の改正を行うものである。

 登記実務に対する影響は,ない。

cf. 「会社計算規則の一部を改正する省令案」に関する意見募集の結果について
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080217&Mode=2
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財産分与の家事審判において,分与対象外の建物の明渡命令が可能

2020-08-12 08:29:40 | 家事事件(成年後見等)
最高裁令和2年8月6日第1小法廷決定
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89622

【判示事項】
 財産分与の審判において,一方当事者の所有名義の不動産で他方当事者が占有するものにつき,他方当事者に分与しない判断をした場合,その判断に沿った権利関係を実現するため必要と認めるときは,家事事件手続法154条2項4号に基づき,その明渡しを命ずることができる

「財産分与の審判において,家庭裁判所は,当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して,分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定めることとされている(民法768条3項)。もっとも,財産分与の審判がこれらの事項を定めるものにとどまるとすると,当事者は,財産分与の審判の内容に沿った権利関係を実現するため,審判後に改めて給付を求める訴えを提起する等の手続をとらなければならないこととなる。そこで,家事事件手続法154条2項4号は,このような迂遠な手続を避け,財産分与の審判を実効的なものとする趣旨から,家庭裁判所は,財産分与の審判において,当事者に対し,上記権利関係を実現するために必要な給付を命ずることができることとしたものと解される。そして,同号は,財産分与の審判の内容と当該審判において命ずることができる給付との関係について特段の限定をしていないところ,家庭裁判所は,財産分与の審判において,当事者双方がその協力によって得た一方当事者の所有名義の財産につき,他方当事者に分与する場合はもとより,分与しないものと判断した場合であっても,その判断に沿った権利関係を実現するため,必要な給付を命ずることができると解することが上記の趣旨にかなうというべきである。」

cf. 日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62523460R10C20A8CR8000/
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設立以来,全く登記をしていないNPO法人(再掲)

2020-08-11 11:53:07 | 法人制度
(再掲はじめ)

「NPO法人の理事の変更の登記の依頼を受けたが,設立以来,全く登記をしていない法人だった」という話をしばしば耳にする昨今である。

 NPO法人の理事の任期は,原則として最長2年である(特定非営利活動促進法第24条第1項本文)が,定款で役員を社員総会で選任することとしているNPO法人にあっては,定款の定めにより,理事の任期が伸長される場合がある(同条第2項)。

 この場合は,MAXが約4年である。

cf. 平成24年4月13日付け「NPO法人の理事の任期の伸長~4年を超えることはない」

 それでは,定款に当該任期伸長規定がなければ,どうなるのか? であるが・・・。

 設立時の役員については,定款の附則で,「この法人の設立当初の役員の任期は,この定款の規定にかかわらず,成立の日から平成〇年〇月〇日までとする」と定めているケースが多いが,定款に「役員は,辞任又は任期満了後においても,後任者が就任するまでは,その職務を行わなければならない」旨の規定があれば,当該規定を任期伸長規定と解することができ,この規定による任期伸長は,法人成立の日から2年がMAXである。

(再掲おわり)

cf. 平成25年4月11日付け「設立以来,全く登記をしていないNPO法人」

 本件につき,一部の登記所において,無理解にも,任期伸長規定の適用をせずに,附則の「平成〇年〇月〇日まで」によって同日任期満了の取扱いをとっているらしいとの情報が寄せられた。

 御注意を。
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神奈川県弁護士会が社保逃れ

2020-08-11 08:10:45 | いろいろ
産経新聞記事
https://www.sankei.com/affairs/news/200811/afr2008110001-n1.html

 会長報酬(月額30万円)を無報酬にして,退任後,顧問料として受け取る形に変更する総会決議をし,社保加入を回避したという。

「弁護士組織が社会保険の回避を指摘されるのは異例だが、年金事務所から指摘を受けていない「社保未加入」の業界団体は他にもあるとみられ、問題は波及しそうだ。」(上掲記事)

「非常勤役員」で,「一日の所定労働時間が正社員の4分の3未満」かつ「出社日数が正社員の4分の3未満」の両方を満たせば、被保険者ではなくなるようだが。
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いたずらで,LEDの「大文字」が点灯

2020-08-10 18:00:21 | 私の京都
京都新聞記事
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/326120

「こんなことをしでかすのは,麓の某国立大学の学生に違いない」説がちらほら。
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本人確認の場面における医療保険の被保険者等記号・番号等の告知要求制限について

2020-08-08 02:41:35 | いろいろ
医療保険の被保険者等記号・番号等の告知要求制限について by 総務省・財務省・文部科学省・厚生労働省
https://www.jcci.or.jp/200708kokuchiyoukyuseigen.pdf

「医療保険の被保険者証については、従来から、様々な取引、届出等の場面において、本人確認等を目的として用いられているものと承知しています。
 今般、医療保険の被保険者等記号・番号が個人単位化されることに伴い、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律(令和元年法律第9号。以下「改正法」という。)により、保険者番号及び被保険者等記号・番号(以下「被保険者等記号・番号等」という。)について、個人情報保護の観点から、健康保険事業又はこれに関連する事務の遂行等の目的以外で告知を求めることを禁止する「告知要求制限」の規定が設けられました。
 告知要求制限の規定は令和2年10月1日から施行され、同日以降、原則として、本人確認等を目的として被保険者等記号・番号等の告知を求めることが禁止されます。」

・ 被保険者証の提示を受ける場合には、当該被保険者証の被保険者等記号・番号等を書き写すことのないようにすること。また、当該被保険者証の写しをとる際には、当該写しの被保険者等記号・番号等を復元できない程度にマスキングを施すこと。

・ 被保険者証の写しの送付を受けることにより本人確認等を行う場合には、あらかじめ申請者や顧客等に対し被保険者等記号・番号等にマスキングを施すよう求め、マスキングを施された写しの送付を受けること。また、被保険者等記号・番号等にマスキングが施されていない写しを受けた場合には、当該写しの提供を受けた者においてマスキングを施すこと。

・ 被保険者等記号・番号等の告知を求めているかのような説明を行わないこと。例えば、ホームページ等において、「被保険者証の記号・番号が記載された面の写しを送付してください」といった記載を行わないよう留意すること。
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配偶者に相続させたくない

2020-08-07 16:15:31 | 民法改正
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62385660W0A800C2KNTP00/

 離婚調停中で,配偶者とは別居している。離婚が成立する前に寿命が尽きた場合に,配偶者に相続させたくない。方法はある?
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コロナ禍による結婚式の延期とキャンセル料

2020-08-07 10:50:41 | 消費者問題
NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200802/k10012546941000.html

「感染が拡大したことし3月から来月までに延期や中止となった結婚式は推計でおよそ17万組に上り」

「日程の変更によるキャンセル料について後日、同じ式場で結婚式を挙げれば実質、負担をゼロにする対応をとる」

というところも多いようだ。

「全国の消費生活センターにはことし3月以降、結婚式の延期や中止をめぐる相談が急増し、先月までの相談件数は2700件余りに上っています。
 相談件数は緊急事態宣言が出された4月に1339件に上ったほか、5月が484件、6月が205件と相談が多く寄せられる状況が続いています。」(上掲記事)

 結婚式場やホテルも,厳しい状況であるとは思うが,柔軟の対応が期待される。
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