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司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

公益法人等において代表理事を選定する方法

2013-07-10 00:18:25 | 法人制度
 特例民法法人が公益法人又は一般法人に移行した後に,定時社員総会又は定時評議員会の終結の時に理事全員が任期満了となり,改選後の理事が新たに代表理事を選定する場合に,理事会の招集が困難であるとして,いわゆる書面決議を行うケースが少なくないようである。

 この場合,改選後の理事が就任した後に,書面決議の提案を発すると,新たな代表理事が就任するまでに一定のブランクが生ずることが不可避である。

 このような事態を回避するには,どのような対策を講ずるべきか。

 理事会設置一般社団法人又は一般財団法人においては,代表理事の選定は,理事会の決議により行うのが原則であるが,定款の定めに基づき,社員総会又は評議員会の決議によって行うことが否定されているわけではない。

 例えば,次のような定款の定めを置くことができる。

 (代表理事の選定)
第○条 代表理事は,理事の中から理事会の決議によって選定する。
2 前項の規定にかかわらず,定時社員総会(又は定時評議員会)の終結の時に理事が任期満了により退任する場合に,代表理事が資格喪失によって退任するときは,当該定時社員総会(又は定時評議員会)の決議により代表理事を選定する。

 なお,代表理事の選定に関して,一般的に社員総会又は評議員会の決議に委ねる旨の定款の定めを置いたとしても,理事会の権限を奪うことは不可であると解されている。一応の権限の分配について定めたものと解すべきであろう。



 医療法人の理事長や,社会福祉法人の代表権を有する理事の選定についても,一般的には,理事の互選によるものとされているが,これは,法定のものではなく,定款の定めに基づく選定方法であるから,社団である医療法人については社員総会の決議によって理事長を選定し,評議員会を設けている社会福祉法人については評議員会の決議によって代表権を有する理事を選定する旨の定款の定めを置くことも可能である。

 このような定款の定めを設ければ,理事を予選しなければならないにもかかわらず,理事長又は代表権を有する理事については,理事の就任の効力が生じた後に選定しなければならない不都合を回避することが可能である。
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