司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

法務省「賃貸借契約に関する民事上のルール」

2020-05-22 20:09:26 | コロナウイルス感染症問題
賃貸借契約に関する民事上のルール by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00050.html
 法務省が,「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた賃貸借契約の当事者の皆様へ ~賃貸借契約についての基本的なルール~ 」を公表している。

Q1:新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減少し,現在借りている建物の家賃が払えなくなってしまいました。すぐに退去しなければならないのですか。
A:賃料の支払義務の履行は重要ですが,建物の賃貸借契約においては,賃料の未払が生じても,信頼関係が破壊されていない場合には,直ちに退去しなければならないわけではありません。

Q2:新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少し,今後,家賃を払い続ける見通しが立ちません。家賃の減額や支払猶予等について,オーナーと交渉することはできないのでしょうか。
A:賃貸借契約に定められている協議条項に基づき,オーナーと家賃の減額や支払猶予等について交渉を申し入れることが考えられます。

Q3:テナントが新型コロナウイルス感染症の影響により営業を休止することとなった場合,賃料が減額されることにはならないのですか。
A:当事者間でこのような場合についてあらかじめ合意している場合には,それによることになります。また,当事者間での協議も重要です。協議に当たっては,賃料の減免の要否や程度等について,事案ごとの事情を考慮して判断していただくことになります。
 なお,テナントが休業した場合にも様々な場合がありますが,一例を挙げると,別段の合意がない場合において,オーナーは賃貸物件の使用を許容しているにもかかわらず,テナントが営業を休止している場合には,賃貸物件を使用収益させる賃貸人の義務は果たされており,テナントは賃料支払義務を免れないものと考えられます。他方,商業施設のオーナーが施設を閉鎖し,テナントが賃貸物件に立ち入れず,これを全く使用できないようなときは,賃貸人の義務の履行がないものとして,テナントは賃料支払義務を負わないことになると考えられます。
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