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司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

代表取締役の辞任を巡る諸問題

2015-03-18 09:51:03 | 会社法(改正商法等)
 今般の商業登記規則の改正(平成27年2月27日施行)により,印鑑の提出をしている代表取締役又は代表執行役の辞任の登記申請について,辞任届に押印した印鑑に係る印鑑証明書の提出又は辞任届に届出印での押印を求めることとされた(商業登記規則第61条第6項)。

 すなわち,代表取締役等(登記所に印鑑を提出した者に限る。)の辞任による変更の登記の申請書には,当該代表取締役等が辞任を証する書面に個人実印を押印して当該印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付するか(改正後の商業登記規則第61条第6項本文),当該代表取締役等が登記所届出印を押印した辞任を証する書面を添付する必要がある(同項ただし書)。

 辞任する代表取締役が株主総会又は取締役会に出席していること,並びに席上辞任の意思及び辞任の時点が述べられたことが当該株主総会又は取締役会の議事録から明らかであって,当該代表取締役が当該議事録に登記所届出印を押印しているのであれば,当該議事録は,「退任したことを証する書面」(商業登記法第54条第4項,商業登記規則第61条第6項)として取り扱うことができると解される。
※ 辞任の時点が明確である必要がある。

 また,登記の申請人が,印鑑証明書の添付が不可能又は著しく困難であるとして,例えば,代表取締役等の辞任届は受領したものの,印鑑証明書を受領する前に当該代表取締役が死亡した旨又は行方不明となった旨を記載した上申書とともに,当該代表取締役等の死亡診断書,戸籍事項記載証明書又は警察署が発行した失踪届受理証明書等を提出した場合には,市区町村長作成の印鑑証明書が申請書に添付されていないときであっても,当該申請は,受理される。
※ 辞任届を提出した代表取締役が,その所在は判じているものの,印鑑証明書の交付を拒んでいる場合は,どうする?という問題は残る。

 以下に「辞任」を巡る過去の投稿をまとめてみました。

cf. 平成27年2月21日付け「代表取締役等の辞任を証する書面」

平成26年11月27日付け「代表取締役の辞任届」

平成25年2月25日付け「取締役の辞任の「時点」」

平成21年10月23日付け「取締役の辞任による退任を証する書面」

平成21年2月27日付け「取締役の辞任と定款の添付の要否」

平成20年5月23日付け「取締役の辞任を証する書面について」

平成19年10月26日付け「NOVA、取締役の辞任は効力を生じている(?)」
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