司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

後見人は,被後見人の親族の後見等開始審判を申し立てることができる?

2024-05-30 18:23:58 | 家事事件(成年後見等)
新日本法規
https://www.sn-hoki.co.jp/shop/f/img/items/pdf/sample/5100140.pdf

 成年被後見人の親族に相続が開始して,成年被後見人が相続人となった場合に,他の相続人が認知症等により判断能力がなく,遺産分割協議のために後見開始の審判を申し立てる必要がある場合に,成年後見人が成年被後見人に代わって申立てをすることができるか?

 この点についての家裁の運用は,「財産に関する法律行為」(民法第859条第1項)に該当しないとして,否定的であるケースが多いようである。

 しかし,これは,硬直的に過ぎるのではないか。遺産分割協議を行うために必要である場合には,「財産に関する法律行為」を広く解釈して,柔軟に対応すべきであろう。
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株式会社の設立登記の登録免許税は高過ぎる

2024-05-30 07:33:24 | 会社法(改正商法等)
 株式会社の設立登記の登録免許税について,「登録免許税法(昭和42年法律第35号)」の前身である「登録税法(明治29年法律第27号)」の施行時においては,

第六條 左ノ事項ニ付登記ヲ受クル商事會社ハ左ノ区別ニ従ヒ登録税ヲ納ムヘシ
 一 合名會社,合資會社設立 資本金額千分ノ二
 二・三 【略】
 四 株式會社設立 設立初度ノ拂込資本金額千分ノ三
 五~八 【略】

であった。

 その後の変遷については,未だ調べてはいないが,現在の登録免許税法別表第一24(1)イの規定は,

株式会社の設立の登記(ホ及びトに掲げる登記を除く。)  資本金の額の1000分の7(これによつて計算した税額が15万円に満たないときは、申請件数1件につき15万円)

である。

 私は,株式会社という法人格を作出するための一定のハードルはあって然るべしであり,登録免許税という制度はあってよいと思うが,「起業促進のために,設立登記をしやすく」を謳うのであれば,まずは登録免許税の減額を考えるべきであろう。

 ひとまず,租税特別措置によって,上記「資本金の額の1000分の7(これによつて計算した税額が15万円に満たないときは、申請件数1件につき15万円)」の部分を,当分の間,「資本金の額の1000分の7」として,最低額15万円を停止してはどうか。

 最低額が必要であれば,合同会社並みに,上記括弧書を「これによつて計算した税額が6万円に満たないときは、申請件数1件につき6万円」とすることでよいと思われる。

 そろそろ,株式会社の設立登記の登録免許税の最低額が15万円であるのは高過ぎるということで,是正の動きがあって然るべきである。
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