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外交で大きな功績を上げた安倍元総理

2022-07-23 23:45:45 | 人物
安倍元総理の功績と言えば経済政策で金融政策を行ったことと、外交政策では何より日本のプレゼンスを飛躍的に向上させた事が挙げられるだろう。それは極めてずば抜けており、歴代のどの総理大臣よりも凄いものだった。
今回は、この安倍元総理の外交上の功績について数量政策学者の高橋洋一氏の解説を基調に記してゆく。



高橋氏は安倍氏の第一次政権の時には官邸参事官だったが、安倍氏はこの時、既に防衛省と外務省の担当者を呼んでNSC(国家安全保障会議)の創設についての話をしていたのである。「安倍氏は先見の明がある」と高橋氏は思ったそうだ。

実はNSCのような制度は世界ではごく普通にあるものであり、防衛大臣と外務大臣が担当するものであるが、それまでの日本では存在しなかったのである。

安倍政権では第一次政権の時に当時の防衛庁を防衛省に格上げしたのだが、その流れでNSCの話もしていたのである。



その頃、今で言う「クアッド」(*1)の件だが、安倍氏はこれを2006年くらいからよく話をしていたのだ。その頃から日米豪印という民主主義の四ヶ国で対中包囲網をやる、というヴィジョンを持っていて、はっきり言っていたそうである。

とりわけ、インドには深い思い入れがあったようで、第一次政権の時も安倍氏はインドを訪問しているが、この訪問後に体調が悪化した関係で第一次政権は早く辞めざるを得なかったのであった。


一方、高橋洋一氏は昔、アメリカ留学の経験があるが、その目的が経済ではなく、戦争論といって
戦争の確率というものを学んでいたのである。戦争論は、国際的な関係論の中で確立された理論であり、安倍氏はそれにとても興味を持ったそうだ。

どのような場合に「戦争が起きないのか」について、過去300年くらいのデータがあるのだが、それを分析すると下記のような事が判る。

[1]防衛力が高い事が重要である。防衛力がバランスしていると世相発生確率が下がる。
[2]どこかの強い国と同盟関係にあることが重要であり、これも戦争発生の確率を下げる。
[3]相手国が民主主義国ならば、戦争発生確率は下がる。

こうした条件を前提にして日本の周囲を見回してみると、非民主国であるロシア・中国・北朝鮮という3つの国があるが、これは日本にとって条件的にかなりきついものがある。その状況下に於いて、最終的に日本を守るのは日米同盟である。しかも日米同盟が強ければ強いほど日本を守れる確率は高いのである。

後は、決め手になるのは防衛費であろう・・・という話を安保法制の時に安倍氏にしたそうだ。すると、安倍氏はそれをどこかでいろいろな人に言ったようである。

その後、高橋氏は防衛省から「その話を聞かせてくれ」という要請を受けたそうだが、外務省からは(案の定)こなかったのである。(笑) 外務省は「話し合えば判る」と言ってるだけのお花畑状態の官僚が多く、話にならないのだ。政治家の国会答弁は外務省が作るので、上述の高橋氏からの話は安保法制の時には入らなかったのである。



安倍氏は日本人政治家の中でも突出した外交感覚・センスがあった。何よりそれはしっかりした国家観に裏打ちされたものである。単なる陽キャではないのだ、当たり前だが。性格が人懐こいので、誰にでも好かれる事から、各国の首脳の中でも軍を抜いて人気があったのである。英語もそこそこできる上にユーモア感覚も持ち合わせているので面白いのだ。アメリカのトランプ大統領と会ってすぐに波長も合ったことで、最初から国際政治の深い話ができたことは非常に良かった。

今回の件に於いても海外の首脳からは破格の扱いとなっていることはもっと認識されていいだろう。日本の総理大臣がここまでの破格の扱いになったことは過去にはなかったことだ。


上述のトランプ氏との会談だが、アメリカの大統領選でトランプ氏が勝利した後で、未だ大統領に就任していない時期に安倍氏はニューヨークに会いに行ったのである。

実はあの会談は外務省は嫌がっていたのだ。形式にとらわれる官僚の悪い癖だが、正式な大統領に就任してない時点で現職のオバマ氏を差し置いて会うのはいかがなものか、と。だが、安倍氏は就任前に会う必要性を感じていたのだ。そこに日本の国益にかなうものがあると確信していたからだ。

外務省は嫌がったのなら、どういうルートで実現したのだろうか。

実は高橋洋一氏とその友人のルートで実現したものである。安倍氏は成蹊中学・高校・大学で学んできたのだが、成蹊中学・高校の時代に日本に留学してきたアメリカ人が居たのだが、それは高橋氏の友人だったのである。その人物が当時トランプ氏の顧問弁護士となっていたのだ。そのツテを使って実現したのである。

その会談時に安倍氏とトランプ氏は何を話したのであろうか。実は中国の話が中心だったそうだ。その後、トランプ外交が日本にとって大変良いものになったのは日本にとって大きな国益であった。トランプ時代のアメリカは日本に対して無理難題を押し付けてくるようなことは一切無かったのである。この時代の外務省はさぞ楽だったであろう。(笑)こうした下地を作ったのが安倍晋三氏だったのだ。



安倍氏とトランプ氏はゴルフをしながらの会談もしたが、安倍氏のゴルフはそれほど上手くはないそうだ。トランプ氏はハンデがシングルだから上手いのだが。このゴルフを通じたコミュニケーションはとても上手くいったが、安倍氏自身は仕事でゴルフやるのは大変だと言っていたようである。


このような誰の懐にもすっと入っていけるパーソナリティを持つ人だったので、外交を含めて色々なところで人気があったのである。

今回の件でインドも喪に服す事になった。これは安倍氏とモディ首相がとても仲が良かったからであり、深い信頼関係があったからである。実際、安倍氏がいなければクアッドは実現しなかったのは言うまでもない。

この信頼の絆は、第一次政権の時に非常に苦しい中でもインドに行き、逆にインドのモディ首相が来日した時にはとても丁寧に対応した事などの積み重ねで醸成されていったのである。

インドは国際的に中立だと思っている人も少なくないが、だが実際には中立ではない。日本が間に入っているからそう見えているだけだ。日本が居ることで中立政策を日本側にちょっと寄せてきてくれているのである。アメリカとオーストラリアだけではインドを入れるのはかなり難しかった筈だ。インドはアメリカに対してある種の敵対心を持っているので、そのままではクアッドに参加するのは結構難易度の高い事だったが、しかしクアッドの中心に安倍氏がいたから、だから実現したのだ。安倍氏は第一次政権の時から「インド」については気にかけてよく語っていたのである。そういう努力が実を結んだ、ということなのである。

クアッドが掲げる「自由で開かれたインド太平洋」という概念は安倍氏の発案である。こうしたビジョンを自分で練り上げて実際の形にしたのだ。日本人が発信して、それが現在、世界のスタンダードになっている・・・これは凄いことである。

そういう意味で、日本の中で戦前戦後を通して国際的に真にピカイチの政治家である事は間違いないだろう。きちんとした理論に基づく国際政治をきちんと進めた人物なのだ。人懐こくて誰も飽きさせずジョークも上手い・・・こんな総理大臣は今までいなかったし、なかなかできることではない。



アメリカやインドだけではない。グローバルに俯瞰した場合でも、この国際的な評価は誰でもわかるものであろう。今回の件で多くのいろいろな国から弔意が寄せられている。それで皆が理解したのではないだろうか。これだけ世界から高く評価されていた人物が(左翼の言うように)悪い人間である筈がないだろう。本気で悪いと思っている人が居たら、それはマスメディアの情報操作に乗せられて騙されている事を自覚するべきだ。日本のマスメディアは公平公正な報道機関ではなく、左翼の情報工作機関だからである。

日本の歴代総理の中で群を抜いて高い国際評価を受けていた安倍氏であるにも関わらず、日本のマスメディアでは相変わらず「アベガー」である。完全にズレまくっているのは言うまでもない。日本のマスメディアの態度は国際社会から見れば「何言ってるんだ?」という疑問でしかなく、もっと言えば世界に対して恥ずかしい事である。マスメディアが左翼・極左勢力に乗っ取られている実態が如実に表されていると言えよう。









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(*1)
日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国による外交・安全保障の協力体制「日米豪印4カ国戦略対話(Quadrilateral Security Dialogue)」の通称。









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