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お客様は神様ではない

2018-10-08 07:37:15 | 社会・政治
現在、社会のあちらこちらで顧客の過剰なクレームに悩む店舗や会社がある。常識で考えて有り得ない批判や謝罪の要求、またお詫びの品物(又は現金)の要求などもあるそうだ。
得てしてこのような行動・言動をするモンスター級のクレーマーは三波春夫氏の「お客様は神様です」という文言を根拠にして悪行に及んでいる場合が多い。

商売に携わる人々にとって本当にお客様は神様のような存在なのだろうか。実はここにはとんでもない誤解が存在している。

何が誤解なのか?

最大の誤解はクレーマーが思い込んでいる「神様」が自分、つまり「客」のことではない、ということ。「商売人よりも上に君臨する神聖不可侵な存在」ではない事である。

クレーマーは「自分たち顧客は神聖不可侵な存在としての神様なのだから商売人に対して何を言ってもいい(やってもいい)」という理屈で理不尽な要求をしてくるのだが、前述のように「神様」の解釈が間違っているのだから、従ってこの理屈も間違いなのである。

では、三波春夫氏が言った「神様」はいったい何なのか?

三波春夫氏にとって歌唱する事は極めて神聖な行為であった。余計な考えを一切取り払い浄化された無心な状態で歌唱をする・・・それは例えば神前で唄うようなものであり、歌手である自分に相対する存在すなわち聴衆(お客様)を神様と見立てて歌唱する…歌を神前に奉納するような神聖な行為として捉えていた、ということなのである。さらに言うなら、歌手にとって聴衆(お客様)を歓ばせる事は必須事項であり、だから「お客様=神様」という捉え方が成立するのだ。

こうして「お客様は神様です」という文言が生まれたのである。

しかし世の中はこの文言を顧客の都合の良いように解釈し、「商売人にとって顧客の要求は絶対」といった間違った概念を生み出して普及させてしまった。
今、我々は改めて三波春夫氏が考えていた原点たる概念を正しく受け止めて、その意味をしっかり考えてみる必要がありそうである。








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