ピアノという楽器は鍵盤を押すと内部のメカニズムが動作してハンマーが弦を叩くことで音が鳴る仕組みになっている。ならば、誰が弾いても同じ音になるのか?…という疑問が湧いてくるのは必然であろう。それこそ猫が鍵盤上を歩いても(走っても)同じ音がするのだろうか?
正解は「違う」である。
全然違うのだ。
卑近な例を挙げる。これは筆者の体験だが、ある場所に置かれた貧相なアップライトピアノがあった。古く、乱暴に扱われてきたピアノであり、誰が弾いても貧相な、そりゃそうでしょ、な音しかしなかった。だが、そのピアノがイベントのステージ上に上げられて(一応調律はした)、とあるプロのジャズピアニストが演奏した時、全く別のサウンドが鳴り響いたときには心底喫驚したものだ。それは素晴らしいピアノサウンドであり、到底同じピアノとは思えないほどきらびやかで美しく輝く音色が鳴ったのである。
不思議なことだが、同じピアノでも演奏する人間によって楽器は全く異なるサウンドで応えてくれるのである。ここにどのような物理的作用が関わっているのか定かではないが、少なくとも一流のピアニストはピアノを「鳴らす」スキルを身に付けているのであり、それは理屈を超えた何か、な領域のスキルと言えよう。
確かにミステリーだ。鍵盤を押すだけの動作しかしていないのである。しかし普通の人が押した時と良い演奏家が押した時には全く別のサウンドが鳴る。これは厳然たる事実である。
そうなると、逆のケースもあるだろう。例えば、一千万円超えのスタインウェイのピアノであっても、下手な人が弾けば凡庸なサウンドしか鳴らない・・・そういうことになるのだ。こうした実例も筆者は実際に聴いていて知っている。
不思議なことではあるが、楽器を鳴らすこと、楽器のポテンシャルを最大に引き出して鳴らしてみせる能力(スキル)が本物の演奏家にはある、ということである。
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正解は「違う」である。
全然違うのだ。
卑近な例を挙げる。これは筆者の体験だが、ある場所に置かれた貧相なアップライトピアノがあった。古く、乱暴に扱われてきたピアノであり、誰が弾いても貧相な、そりゃそうでしょ、な音しかしなかった。だが、そのピアノがイベントのステージ上に上げられて(一応調律はした)、とあるプロのジャズピアニストが演奏した時、全く別のサウンドが鳴り響いたときには心底喫驚したものだ。それは素晴らしいピアノサウンドであり、到底同じピアノとは思えないほどきらびやかで美しく輝く音色が鳴ったのである。
不思議なことだが、同じピアノでも演奏する人間によって楽器は全く異なるサウンドで応えてくれるのである。ここにどのような物理的作用が関わっているのか定かではないが、少なくとも一流のピアニストはピアノを「鳴らす」スキルを身に付けているのであり、それは理屈を超えた何か、な領域のスキルと言えよう。
確かにミステリーだ。鍵盤を押すだけの動作しかしていないのである。しかし普通の人が押した時と良い演奏家が押した時には全く別のサウンドが鳴る。これは厳然たる事実である。
そうなると、逆のケースもあるだろう。例えば、一千万円超えのスタインウェイのピアノであっても、下手な人が弾けば凡庸なサウンドしか鳴らない・・・そういうことになるのだ。こうした実例も筆者は実際に聴いていて知っている。
不思議なことではあるが、楽器を鳴らすこと、楽器のポテンシャルを最大に引き出して鳴らしてみせる能力(スキル)が本物の演奏家にはある、ということである。
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