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何もしない岸田総理の高支持率の理由

2022-06-11 23:37:00 | 社会・政治
必要なことは何もせず、ただただ「しっかり検討する」だけの「検討使(けんとうし)」としてすっかりおなじみの岸田総理であるが、7月に迫った参議院選挙に関する結果の予想と岸田政権の高支持率の理由について数量政策学者の高橋洋一氏の解説を基調に書いてゆきたい。

参議院選挙の結果の数字は事前に予測可能である。

「内閣支持率(%)+与党第一党の政党支持率(%)」・・・この和の数字を「青木率(またはアオキレシオ)」と呼ぶが、現在の岸田政権の青木率は100に近い。これは驚異的で、かつてないほどの高い数字なのである。この数字を見る限り、自民党は参院選に勝利する確率が高い、と言えよう。

個々の選挙区の予測までは難しいが、選挙全体の予測としては7~8割位の確率で当たるのだ。自民党が勝利する理由の一つは野党があまりにも駄目駄目過ぎる事であるが、岸田総理が選挙への戦略として意識しているのは

「争点を作らないこと」

である。

ことわざに「雉も鳴かずば撃たれまい」というのがあるが、岸田総理がやっているのは「キッシーも鳴かずば撃たれまい」という戦略だ。

どういうことか。

何もしないでいて、たまに少し政策を出すとマスコミはそれに食らいつく。それで何も批判されなければ争点も無い事になりマスコミからも叩かれない、ということである。


岸田総理はマスコミ戦略も上手い。左派系の朝日と毎日を押さえる一方で右寄りの読売はナベツネ氏との個人的関係(開成高校の同窓生)で押さえているのだ。だから批判されないのである。情報弱者(以下、情弱)の国民からすればマスコミが批判しないだけで支持要因になってしまう(苦笑)のだが、ここで岸田総理はさらに「露出を高める」ことで支持率の上昇を図るのである。

その戦略とはどのようなものか。

前述のように、何もしない事でマスコミから批判されないようにするだけで支持率は上がるのだが、さらにマスコミへの露出を高める事で上げることができるのだ。

なぜか。

情弱な国民はマスコミへの露出が多いだけで「よくやっている」かのように思いこんでしまうのである。残念なことだがこれが実態である。

実際、岸田総理は参院選の前に国際会議等のスケジュールを全て組んでいる。
6月の頭にはシンガポールでシャングリラ会合があり、6月中下旬になるとG7(先進7ヶ国首脳会議)がある。そのG7の後でNATO(北大西洋条約機構)の首脳会談もあり、それで6月いっぱいである。

ドイツでのG7の後で出席するNATOの会談はスペインで開催される。重要なのはこの後である。
NATO首脳会談が終われば、G7首脳の数人は恐らくウクライナ(キーウ)へ行くと思われる。岸田総理もそれについて行く可能性は非常に高い。岸田総理がウクライナに行く、ということだ。そうなるとマスコミに「岸田総理・イン・ウクライナ」な写真や映像を沢山撮らせるのである。もちろんそれを日本のマスメディアで流しまくるのだ。ここぞとばかりに放映しまくることだろう。
こうすることで情弱な国民は「岸田さん凄い」となって一気に引き付けられる事になる。この作戦で参院選は勝利する・・・こういう予測である。

もちろん、現時点で岸田総理がウクライナへ行くような話は一切出ていない。だが、スペインからウクライナは遠くなく、どちらかと言えば近い距離である。具体的にはポーランドまで政府専用機で飛び、そこから列車で4時間走れば陸路でウクライナ(キーウ)入りができるのである。これは人気・支持率に敏感な岸田総理なら必ず狙うであろう。

G7の首脳陣は、アメリカのバイデン大統領が行くかどうかは不明だが、誰かが行くであろうことはまず間違いないと推測されるところだ。岸田総理はそれにくっついていくのである。7月上旬に日本のマスメディアで「岸田総理・イン・ウクライナ」の映像が繰り返し流されれば情弱な日本国民はまんまと釣られてしまうことだろう。

この話にはちょっとした布石がある。

先般、ウクライナの難民救援の一環でわざわざポーランドまで政府専用機を飛ばしたことがあったのを覚えておいでだろうか。

これである。

この「政府専用機をポーランドまで飛ばす(飛ばした)」ことが重要なのだ。

つまり、専用機にとってはそれは習熟の為の練習だった、ということだ。政府専用機にとってはポーランドの空港は初めてなので事前に慣れておければそれに越したことはない。ウクライナ難民救援の為の専用機派遣は首相訪問の予行演習を兼ねていたのはほぼ確実であろう、ということだ。難民救援という理由だったが、実際に助けた人数が少なかったにも関わらず、わざわざ飛ばしたのはそのような理由があったものと推測されるのである。


改めて記すが、選挙で勝利する為の岸田総理の戦略は次の通りである。

「何もしない、しかし露出は高める」

これははっきりしているのだ。
流石は「ただ総理大臣になりたかっただけの人物」である。