6月2日 (月)
野菜の種の芽だし作業を書斎で行うことはとても楽しい。
ビニールケースの底にトイレットペーパーを敷いて水に濡らし、その上に前日から水に浸しておいた種を置いておくと、今の季節なら2,3日もすれば種から微かな根が出てくる。
根の出たその種をピンセットでそっと摘まみ、底に穴を明けたヨーグルトなどの小型紙ケースに培養土を入れたポットに植えこむ。
やがて種から根と芽が伸びて次第に小さな苗に成長していく。
こうした一連の動きをルーペや小型顕微鏡で観察しながらする作業は、実験室の操作を想像させ「農作業」というより「脳作業」に近いのではと思わせる。
いや、好奇心を刺激するだけだから「脳」=知力に関係ないか。
水分を切らさないだけのことだから「作業」というのは口幅ったいか。
いずれにせよ、戦時の小中学校ではこうした理科の実験をやらせてもらえなかったし、長じても理系とは全く無縁だったから、この齢になってこんな単純・素朴な理系的営みがもたらす喜びを今更ながらに知ることになった。
必要とされた春野菜の苗作りはもう終わっているので、これはさほど必要のない、いってみれば補充的か、第二次的なも苗作りだが、こんな方法で苗を作る作業そのものを楽しんでいるのである。
いまやっているのはオクラと胡瓜とバジルと唐辛子。だが、唐辛子だけはまだ固い種のまま、芽が出るまでになお相当に日時が必要と思われる。
今回の作業で特に目を惹いたのはバジルの種である。水に浸すと、種全体を包むゼリー状の膜が出現することを発見。これからどのように変化するのか見ものである。
オクラ
胡瓜
バジル