『京(みやこ)のくらし―二十四節気を愉しむ』
京都国立近代美術館 2020.07.23 thu. - 09.22 tue
日本はくらしを彩る芸術の中に、巧みに自然を取り入れてきました。
京都もくらしと自然、芸術が密接な関係を築いてきた街として、人々を魅了してきました。
美術館所蔵作品で綴る二十四節気の京都のくらしです。
立秋 RISSHU
8月7日〜8月22日ごろ
暦の上では秋になるが、盆地特有の暑さはまだまだ続く。
盂蘭盆会の支度。
ご先祖さまを迎えるための迎え鐘を「六道珍皇寺」で撞くころが、京の暑さのピーク。
そして五山送り火が終わると、秋の気配が漂いはじめる。
林 司馬 『七夕』 昭和13
明治39年(1906)~昭和60年(1985)京都市に生まれる。
土田麦僊、入江波光に師事する。
京都市立芸術大学教授。嵯峨美術短期大学(現京都嵯峨芸術大学短期大学部)教授。
志村ふくみ 『着物「七夕」』 昭和35年
黒田辰秋 螺鈿瓜形棗 昭和24
川原林秀国 瓜形香炉 明治23
安井曾太郎 『桃』 昭和25
京都生まれ(1888年 - 1955年)の大正から昭和期の洋画家。
独自の日本的油彩画の様式を確立し、梅原龍三郎とともに第二次世界大戦前後を通じて昭和期を代表する洋画家と評されている。
1952年(昭和27年)には文化勲章を受章。
西村五雲 『閑日』 昭和6
京都出身の日本画家(1877年 - 1938年)
動物画を得意とし、動物の生態を生き生きと捉えるその描写は、師の竹内栖鳳を凌ぐとも評された。
十三代 今泉今右衛門 色鍋島笹輪文鉢 昭和42
河井寬次郎 鉄薬丸紋鉢(丸紋笹絵鉢) 昭和16
六代 清水六兵衞 『三彩向日葵飾皿』 昭和29
清水 六兵衛は江戸時代中期以来の清水焼陶工の名跡。
5代の長男(1901年 - 1980年)、名は清水正太郎。
1976年-文化功労者
1980年 日本橋髙島屋で開かれた「清水六兵衛歴代名陶展」の際に挨拶をしていたところ倒れ、死去。
ポール・カポニグロ 向日葵 昭和40
二代 田辺竹雲斎 秋立つ 昭和60
安藤緑山 『玉蜀黍 牙彫置物』 大正~昭和初
大正から昭和初期の彫刻家(1885年- 1959年)
本物と見紛うばかりのその造形のリアルさ、根元から生えた根の生き生きとした艶、隙間まで再現した極めて薄い皮の作りは圧巻です。
安藤緑山の作品における最大の特徴が「色付け」です。
処暑 SHOSHO
8月23日〜9月6日ごろ
処暑の処は、おさまるという意。
ようやく暑さがおさまってくるころ。
昼間の暑さは相変わらずでも、朝晩はめっきり涼しくなり、虫のすだきも聞こえはじめる。京の街なかでは地蔵盆。
子どもながら夏の終わりを惜しむ候。
吉原治良 『朝顔等』 昭和3
1905年 - 1972年
日本の抽象画家、実業家。吉原製油社長。具体美術協会の創設者。
福田平八郎 『清晨』 昭和10
大分県出身の日本画家(1892年 - 1974年)
鋭い観察眼を基にした、対象がもつ雰囲気、美しさを抽出した表現が特徴とされる。
深見陶治 清晨 昭和59
楠部彌弌 葡萄文花瓶 昭和2
富本憲吉 色絵飾筥 昭和16
速水御舟 『秋茄子と黒茶碗』 大正10
東京生まれ(1894年 - 1935年)の大正・昭和初期の日本画家。
従来の日本画にはなかった徹底した写実、細密描写からやがて代表作『炎舞』のような象徴的・装飾的表現へと進んだ。
『名樹散椿』は昭和期の美術品として最初に重要文化財に指定された。
稲垣稔次郎 むくげと野草模様着物 昭和35
土田麦僊 『朝顔』 昭和3
新潟県生まれ( 1887年 - 1936年)の大正~昭和期の日本画家。
鈴木松年・竹内栖鳳に師事。
大正7年村上華岳・小野竹喬・榊原紫峰らと国画創作協会を結成し、同会解散後は官展で活躍。
西洋画と伝統画風を調和させた清新典雅な作品を発表し、近代日本画の好指標の一人となる。
正阿弥勝義 『柘榴に蝉飾器』 明治時代
1832年 - 1908年、明治時代に活躍した金工家。
「超絶技巧」というべき高い技巧を誇り、精緻な彫金、高い写実力・質感表現、多様な金属による色数の多さ、光沢の美しさは、全体に技術レベルが高い明治期の彫金師の中でも一頭地を抜いている。
松田権六 蒔絵箱「赤とんぼ」 昭和44
音丸耕堂 朝顔の図彫宝石筥 昭和15