鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第2494回】 人に対する愛と敬意を持てない経営者は・・・

2017年10月28日 | 住宅コンサルタントとして
素敵な家をデザインするセンスがある。
お客様が何を考えているのか、分かる。
アンテナが高く、受けておいた方が良いセミナーなど、情報収集能力が高い。
業界内のことにかなり精通している。

こういう経営者は、各地域に1人くらいはいるものです。

そういう経営者が経営する住宅会社は、20棟前後まではすぐに到達します。

しかしながら、こういう経営者は大きく分けて2パターンに分かれます。

人に敬意を持てるか持てないか、という点で、完全に分かれます。

棟数が順調に伸びてくると、どうしてもスタッフを採用しなくてはならないのですが、
人に敬意を持てない経営者のタイプは、組織が大きくなってくると必ず崩壊する、
というパターンを繰り返すのですね。

こういうタイプの経営者は、
感覚だけで決断し、感覚だけでスタッフさんに支持を出すタイプが多い。

スタッフさんが少ない間は、
その感覚による支持に矛盾を感じる人がいてもトップの力で抑え込めるのですが、
スタッフさんが増えてくると、一貫性が無く、明確なルールが無い中、
トップの思いつきによる指示に矛盾を感じるスタッフが増えてしまうのです。

そういうことがきっかけで、トップと現場の間に溝ができる。

そしてある時期、スタッフさんが去ってしまったり、
トップに明らかに反対する勢力ができるのですね。


こういうパターンに陥りやすい、感覚だけで経営しているトップは、
スタッフさん増えていっても、みんなが仕事をしやすい環境を整えるとか、
困っている人をサポートしようとしないとか、
とにかく人に対する愛と敬意が足りないので、
何か問題があっても、それは全てスタッフさんのせいにしてしまう思考しかない。

結果、スタッフさんが増えていく中、必ずある一定数のスタッフさんが辞めていくのです。

そうした結果を招いているのは、
自分の直感に頼った、一貫性の無い方針と、
人に対する愛情と敬意が欠けているから、ということなのですが、
そこにずっと気がつかない経営者が多いのですね。

業績の成長と共に、組織が大きくなっていっても組織が崩壊しない経営者に共通するのは、
論理的で誰もが理解できるような方針を打ち出し、ブレない決断を下せる経営者か、
もしくは矛盾することがあってもそれ以上に社員さんから人間的に愛され、
「この人についていこう」と思うだけの人間的魅力がある経営者か、
そのどちらかだと個人的に感じています。

前者はかなりハードルが高いですから、
大抵の中小企業の場合、目指すべきは後者。

人に対して愛と敬意を持てる人間を目指したいですね。
コメント
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