鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1851回】 消費者の求めるレベルは我々が求める以上に上がっている

2016年01月25日 | 住宅コンサルタントとして
セミナーの準備と市場調査のために、東京にこの週末、入っていました。

相変わらず、人は多くて人に酔ってしまいますが、
ものすごく人が集まっていたところと、人が全然いない場所がハッキリしていました。

例えば代官山の蔦屋書店や個人的に自分が好きだと思う雑貨屋さんは
とにかく人がすごかった・・・。
でも、人が集まる理由が分かるのです。

とにかくそこにいると、ワクワクするし、購入後のイメージが湧くし、
それでいて買える価格だったりするわけです。

意外だったのは、六本木ヒルズや表参道ヒルズ。

ガラガラだったんですよ。

まあ、六本木ヒルズはオフィスが休みの日曜日の方が空くのはわかるのですが、
表参道ヒルズは表参道には人がたくさんいるのに、ビルの中の人はガラガラ。

ショップの中には店員さんの方がお客様の数より多いお店が90%以上。
更には撤退したテナントの跡地がかなりあって、
我が家の近くにある有名な「ピエリ守山」の昔や、
上海のショッピングモールのような感じに近い印象を受けました。

あの一等地にありながら、これだけテナントが空きになっている、というのは、
お客様が賢くなっているということなんだろうなぁ、と個人的に思います。

ヨーロッパに行くと、有名ブランドの路面店の中にいるのは大抵、
日本人と中国人、韓国人、インド人などのアジア系で、
ヨーロッパやアメリカの人ってほとんど見ないのですね。

服やバッグ、ベルトにそこまで高い金額をかけずとも、
あり合わせのモノでうまくコーディネートして、洗練された雰囲気を醸し出しているのです。

今の若い方で洗練された方だと、わざわざ高級ブランドの装飾品を持たずとも、
それなりにうまくコーディネートすることができますし、
そんなモノよりも体験にお金を使っているのかもしれない。
その結果が、この空きテナントの多さかもしれない。
というような印象、感想を自分なりに持ちました。

ということは、その厳しい目線で、住宅業界のことを見るだろうな、と思います。

見た目よりも高いと感じる住宅会社だと、相談すらされないでしょうし、
大手ハウスメーカーの嘘っぱちキャンペーンも見抜かれているでしょう。
だから大手ハウスメーカーの戸建て部門はどこも苦戦しているのです。

当たり前のことですが、見た目から感じる印象よりも価格が安い、
と感じてもらえる商品力、コスト競争力、接客力が必要です。

消費者が求めるレベルが、我々が思っている以上に上がっている、
ということを再認識して、日々の仕事に向き合いたいですね。
コメント
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