鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1184回】 会社の考え方を示し、その理解のムラを無くす

2014年03月29日 | 住宅コンサルタントとして
「マニュアル・しくみが重要」とは、よく言われることですが、
いろんな企業様を見させていただく中で、マニュアル・しくみは必要だけれど、
それだけあっても不十分だと個人的に思っています。

その理由は、マニュアル・しくみの根底にある、

「なぜこうしたしくみをやらなくてはならないか?」
「そもそも、我が社はどこを目指しているのか?」

という部分をしっかりと社員さんに理解してもらっていないと、
経営陣がちょっと気を抜けば、すぐにそのしくみやルールが実践されていない、
という現象が起こるからです。

「営業から設計にバトンタッチをする際、この書類に必要事項を記入し、必要書類を添付して出す」
というルールを決めたとしても、必要事項未記入の部分があったり、
必要な書類が添付されていなかったりすることが起こってきて、
最終的にその書類が使われなくなる、というようなことはよく起こりがちなのです。

こうした事態を防ぐために、なぜこういった書類に記入して出さなければならないのか?
そもそも当社はどこに向かっているのか?といったことについて、
社員さんに伝えていかなくてはならないのです。

「家づくりという仕事は、営業・設計・監督・その他の協力業者さん皆が力を合わせて完成し、
初めてお客様に喜んでいただけます。
いろんな方に仕事を依頼して、やっていただいて初めて家づくりが可能なのです。
いろんな方とのやりとりが、とにかく多い仕事なのです。
複数の現場が同時進行で進んでいくとして、全ての打合せを口頭レベルでやっていると、
どの現場でどんな打ち合わせをしたのか、次第に訳が分からなくなります。
それは、そもそもミスの原因ですし、お客様のクレームにつながってしまいます。
だから、口頭でのやり取りに加え、必ず書面に残すということをやらなくてはならないんですよ。

書面を残しておいた方が、万が一、ミスが発生した際、原因がどこにあるのか、後で検証しやすく、
結果、同じミスが起きないよう、対策もバッチリ打てますからね。
だから当社では、他部署や協力業者さんに依頼をする際、
全て書面でやりとりするようなルールになっているんですよ」

と、ちょっと長いですが、こうした考え方を理解してもらい、マニュアルやしくみを守っていくようにしないと、
結果、マニュアル・しくみは「絵にかいた餅」になってしまうと思います。

スタッフ一人一人は、いろんな家庭環境で育ち、能力も価値観も異なります。
その人たちの力を一つにして、良い家づくりをしてお客様に喜んでいただくことが住宅会社の使命です。

そのために、会社の考え方をしっかりと提示し、その理解のムラを無くす共育が不可欠だと思います。

皆さんの会社には、会社としての考え方が明示されていますか?
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