鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1171回】 住宅会社は、普通に経営すれば絶対に潰れないし、潰してはならない

2014年03月16日 | 住宅コンサルタントとして
一般的にどの商売でも、先に仕入れがあって、自社の商品やサービスを販売してから後日、入金があります。

例えば、スポーツジムの場合、先行して毎月の会費を徴収していますが、
その前にスタジオを建設したり借りたりする必要性があります。
更にプールやトレーニング用の機械の設置、更衣室のロッカー、シャワー室など、多大な先行投資が必要です。

雑貨屋さんや家具屋さんにしても、先に商品をたくさん仕入れなくては、お店がオープンできません。
もちろん、飲食店の場合、材料の仕入れが先になります。

しかしながら、住宅会社の場合、こうした仕入れ、更には支払より先に、
お客様から先行してご入金をいただくことが可能ですし、
そもそも業界的にはそれが常識となっています。

そして先にお客様から頂戴したお金で、資材を購入し、職人さんたちに支払をし、
更に自社の社員さんにお給料をお支払いすることが可能なのです。

こんなにも資金回収に恵まれた商売は、それほど多くありません。
ですから、普通に経営すれば、資金ショートに陥ることが無いのです。

しかしながら、「お客様からお金をいただいていないので、支払が出来ない」と、
悪びれるそぶりも無く、支払いが先になることを普通に言う工務店の経営者が
残念ながらまだまだ多いのが現実です。

契約時の仕様決めと実行予算を積算せず、どんぶり勘定で経営している工務店。
追加や変更があった場合、都度追加料金を明確に提示せず、追加分を回収できない工務店。
契約時に支払のルールを明示せず、タイムリーにお客様から回収出来ない工務店

良い家を建てる技術や知識があったとしても、経営者としては全くダメなのです。

増税後の反動により、2014年の後半からは、仕事が順調に続かなくなる工務店も増えるでしょう。
その結果、資金繰りに行き詰る工務店が増えることは回避できなさそうです。

しかしながら、普通に経営が出来れば、資金繰りに詰まることがまずは無いですし、
家づくりを託して下さったお客様の想いを考えれば、潰れてはならないのです。

利益管理と資金回収。
タイムリーな見積提示。
こうした当たり前のことをしっかりとやっていきたいですね。
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