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ハムシ科のフェモラータオオモモブトハムシ Sagra femorata 2010.8.3松阪市岡本町にて採集
標本の大きいほうが♂(体長約19ミリ)。採集者のO氏から毒ビンに入っていたオオモモブトハムシのペアーを頂戴した。
全身に赤紫色の金属光沢がある,このハムシの実物を見るのは初めてで,欲しそうな顔をしていたから,心優しいO氏が「差し上げますよ」と言ってくれたのだと思う。よく眺めてみると,脚の一部は緑色の金属光沢をしている。
1年前にチョウ屋のN氏が,信号待ちで止まった車の中から道路脇のクズの葉上にいる本種を見つけた。普通はあまり葉上には出てこない種なのだが,運悪く?N氏に見つかった。その後,知らせを受けた虫屋たちが確認。日本での生息が始めて確認された外国産のハムシということで,和名はA氏がフェモラータオオモモブトハムシと名付けた。フェモラータは学名の一部。最初,この和名を聞いたとき,なんて長たらしい名前だことと思った。どうやら虫屋たちの間でも評判は芳しくなさそうである。言葉の意味が重複している部分があるようである。素人考えではマツザカオオモモブトハムシとかクズオオモモブトハムシのほうが良さそうに思う。
マメ科植物のクズを食べて,クズの中で蛹となり,無事越冬して繁殖しているとのことである。松阪市の阪内川河川敷だけでなく,櫛田川や祓川の流域でも見つかっており,また津市の久居町にも分布を広げているらしい。本来は中国南部やインド、タイ、ベトナムなど東南アジアに分布している種である。
蛹をたくさん見つけた人が家に持ち帰っていたところ,6月にたくさんの成虫が羽化してきたという話も聞いた。
農作物への被害が心配されており,クズ以外のマメ科植物が食害を受けないか,関係機関が調べているという。クズが絡み付いているヨシやヨモギなども食べられているようである。
一部の人たちが駆除しようとしていると聞いているが,もう遅すぎて難しいのではないかと思う。
フェモラータオオモモブトハムシの幼虫が作る大きな虫こぶも見てみたいと思う。秋遅くには,一つの虫こぶ(ゴール)の中に複数の幼虫が入っていると聞いているので楽しみにしている。
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フェモラータオオモモブトハムシ♂
和名を提唱した「A」です.オオモモブトハムシ,という和名がすでにありました.その場合,このfemorataという特定の種を指している場合とSagra属全体(もしくは同属他種)を指している両方の使用例がありました.和風の?和名にすることも考えましたが,外来種だから,学名から取りました.だって,金髪碧眼の女の子が「花子」みたいな名前だったらやっぱり違和感あるでしょ.フェモラータは「腿の」というような意味ですから,たしかに変ではありますし,その部分は和名提唱お際にもっとも悩んだところでした.一部には不評かもしれませんが,賛成してくださっている方もすくなくないことはたしかです.個人的には明らかな外来種には,和名にもそれとわかるような(原産地とか学名とかの外来語から)和名をつけるのが望ましいと考えます.
「まつさかむし」にして「まつさかうし」につぐ松阪名物にしよう,という話は冗談です.
ご理解いただけると幸いです.
たしかに国産種ぽい名前ではかえって違和感がありますね。
このいかにも東南アジア原産という色形の本種にはフェモラータオオモモブトハムシという仰々しい和名が似つかわしいように感じられてきました。
津市への侵入情報についても,最新の調査結果を教えていただき,ありがとうございます。
フェモラータがどうも覚えられず、子供たちにはナントカオオモモブトハムシと伝えてあります(笑)。
国の名前だったら、なんとか覚えられたんだけど…。