![ヒトハリザトウムシ](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/41/f604192df8d6fe5053eb425100b90a41.jpg)
ハマガニを探しに、ハマボウの古木周辺で大きめの流木を動かすなど調べていて、ヒトハリザトウムシがもうこの辺りに分散して小集団を作っているのを見つけた。冬の冷たい西風は堤防とアイアシ群落そして流木や干潟に捨てられた粗大ごみなどによって忍ぶことが出来る。
夏場に大集団を作っていたコンクリートトンネルには一匹もいなかった。
この日出会った彼らの中に、歩脚が欠けている複数の個体を確認した。本来は8本の歩脚。
この干潟から数キロ離れた砂浜でもヒトハリザトウムシを見つけている。砂浜の一部を石垣で囲んで陸地化し、防砂のために松の木を密植させている。その石垣が砂浜に続く海食崖を偲ばせる。自然海岸ではないが、ヒトハリザトウムシの喜びそうな環境となっていた。
腹部第2背板上に1本の短い棘がある。カワザトウムシ科フシザトウムシ亜科
2007.10.23
ヒトハリザトウムシ
追記
「日本国内で海岸や河川感潮域の水際に生息が期待されるザトウムシは本種のみである.他の同定のポイントは1)腹部背甲第2背板中央に短めだがふつうはっきりした1棘があること(これは幼体には見られない.本種以外に同様の1棘をもつ種としてアカサビザトウムシやオオナガザトウムシなど数種あるが,これらは海岸に出現することはきわめて少ない),2)第2歩脚の腿節に少なくとも1個の偽関節をもつ(これは本種を含むフシザトウムシ亜科に共通の特徴で,幼体でもみられる)」
鶴崎展巨 (2008) 道湖・大橋川におけるヒトハリザトウムシ(ザトウムシ目カワザトウムシ科)の生息記録.すかしば,(56):29-31.
新日本動物図鑑(中)という昭和40年頃の図鑑には,学名は異なるもののヒトハリザトウムシは「体長5~6mm.脚Ⅰ36,Ⅱ69,Ⅲ39,Ⅳ50mm.からだの皮膚は堅く,背表面は一様に小さな球状の果粒におおわれている.つねに第2背板のまん中に1本の比較的短かいとげがある.まれに第1または第3背板にも付属的なとげがある.雄では付節の腹面に密に配列した歯がある.第2腿節にのみ1~2個の小結節がある.腹部の背面には暗褐色の帯状斑がある.ふつう海岸の岩かげなどに群生する.」などとある.