川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

バーチャルリアルティーによる松坂城の再現は難しいのでは

2015-02-26 09:01:15 | 日記
 現在行われている松阪市議会2月議会の関連質問で私が、計画が進められている観光交流拠点で設置が予定されているバーチャルリアルティー(VR)による松坂城の再現について質問しました。質問の内容は、松坂城の資料がないことからVRでの再現は無理であろうとするものでした。

 2月6日の全員協議会で観光交流拠点についての説明があり、それによると松阪産業振興センター横の松阪もめん手織りセンター跡地に観光交流拠点本館が、また上下水道部(松阪第3分館)横に同別館ができるという計画です。

 この観光交流拠点本館の2階にバーチャルリアルティーを設置しようとするものです。VR(バーチャルリアリティー)は高精細デジタル化技術やカラーマネジメント技術などを屈指して、自由な視点移動を可能にする表現方法で、実写でなくCG(コンピューターグラフィックス)によってつくられた映像です。

 昨年2月に東京都文京区にある凸版印刷(株)の印刷博物館でVRを見せていただきました。同博物館のVRシアターは、人間の視点は120°であるので湾曲の画面を用い、3台のプロテクターでつなぎ目が分からないように放映されます。
 トッパンVRではマチュピチュ、ナスカの地上絵、アンコール遺跡、奈良の大仏などの世界遺産など36作制作されていますが、その中から「甦る江戸城」と「ローマのポンペイ遺跡」の映像を見せてもらいました。視聴者が自由に操作でき、前から、横から、後ろから、上からも見られ、また建造物の中にも入っていける、臨場感あふれる映像でした。

 全員協議会でも凸版印刷の方が来て、VRのデモをしていただきました。このとき山中市長が「松坂城をVRで再現できれば」といわれたのに対して、久松議員から「松坂城の資料がないので無理である」と指摘がありました。

 松坂城は天正15年(1588)蒲生氏郷によって造られたとありますが、完全な完成まではもう少し年数がかかっています。その2年後の1590年に氏郷は会津へ移封になります。
 松坂城の天守は天正15年から数え56年後の1644年台風で崩壊します。この城が造られた時はまだ戦国時代の末期で、戦があることも予想され、極めて短期間に造られたことから、設計・施工など粗雑であったことが考えられます。その後松坂城の天守は造られることもなく、明治維新を迎えています。
 このことから松坂城に関する資料や絵図がありません。このためVRで松坂城を再現することは難しく、ニセモノを見せることになります。

 市長は、江戸城も資料がないがVRで再現された、松坂城も時代考証などを積み上げてできないことはないという答弁でした。江戸城は資料がないといっても天下の江戸城である。何らかの資料はあるはずである。松坂城は400年も前のことで何もないのである。どこかの蔵の中から松坂城の絵図でも出てくれば、VRで再現できるのだが、その時には是非見てみたい気がする。

 我が家では夕刊三重が朝来ます、昨日夕刊三重の記者さんにVRに関して取材を受けて、松坂城の再現は難しいのではと述べたのですが、少し内容が違っていたので気になり、急きょ朝から私の意志をまとめました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 福井市のご夫妻松阪市役所を... | トップ | 劇団白つばき「五桂池ものが... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事