松阪市内に伝わるかんこ踊りの1つ「西野子踊り」が、松阪市の無形文化財指定20周年を記念して、『無形文化財 市指定二十周年 西野子踊り展』が、8月26日から松阪市外五曲町の松阪市文化財センターで開催されています。
西野の子踊りは「かんこ踊り」とも呼ばれ、和歌山県日高郡日高町にある安珍清姫悲恋物語で知られる道成寺の流れをくむ郷土芸能です。子踊りの「鐘巻踊」のうたの中にも安珍清姫悲恋物語が歌われています。
現在松阪市内では西野を含めて8つの地区(向粥見本郷かんこ踊りは中断中)でかんこ踊りが行われていますが、その多くは初盆供養の仏事踊りです。西野子踊りは雨乞いや豊年祈願の神事踊りです。戦後間もない昭和20年代から中断し、約30年後の昭和54年8月に西野子踊り保存会が結成され、復活しました。
(今年の8月10日に行われた西野子踊り)
「子踊り」と呼ばれるように、踊りの中心は小学生を中心とした子ども達です。かつては家持ちの長男しか踊れなかったのですが、最近は子供の人数が少なくなってきたので、次男、三男や女の子も踊りの輪に加わり、また未就学の幼児、中学生や高校生、大人の人たちも多く踊りに加わっています。
踊りの輪の中央には大太鼓、その外側に大人の踊り子、さらにその外側に子ども達の踊り子が輪をつくります。踊り子は法被姿にはちまきをして、履物は雪駄。首から太鼓を下げ、バチで太鼓を打ちながら踊ります。一番外側には子ども達の母親や地区の大人たちが鳥追笠をかぶり、竹の先に紙の房のついた「采(ざい)」をもって踊ります。
西野子踊り展は9月3日まで開催されています。
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