3月23日、松阪市飯南町粥見町の粥見神社(向井庸明宮司)に700年前から伝わる神事「てんてん」が行われました。てんてんは松阪市の無形文化財に指定されており、年に2回、春と秋に行われます。春の例祭には天狗や獅子舞など大人たちが舞い、秋の大祭には子どもたちが舞います。
今日は朝から雨が降っていて天候が心配されましたが、午後になると雨も上がり、地元の人たちを始め、市内各地から大勢の市民が伝統芸能を見るため集まってきました。まず神社で祭礼が行われ、巫女姿の女児たちが奉納舞を披露しました。また広場に設けられた舞台でも9人の女児達が浦安の舞を披露しました。
(小学生女児による浦安の舞) (天狗が鼻をかんだ紙で頭を触れてもらいます)
粥見神社は平安時代に創建されたと考えられており、中世の伊勢の国司北畠親房が尊崇してとも伝えられています。てんてんとは太鼓の音から付けられた名称であると言うことで、無病息災や五穀豊穣を祈る祭りです。この祭りは戦時中も耐えることなく続けられてきました。
この祭りを演じる人は粥見地区の上郷、下郷、向粥見の3つの地区が交代で受け持ち、今年は向粥見地区が受け持ちました。今年てんてんを演じた青年は、天狗-坂本ワタル(魚瀬地区)、オン獅子-上林ユウキ(本郷)、メン獅子-樋口ヒロシ(波留)、後持ちオン獅子-上林カツシ(本郷)、後持ちメン獅子-坂本キリユウ(魚瀬)、また太鼓は中村タケヒト(本郷)です。この日てんてんの舞いを行う青年達は、早朝9時に冷たい櫛田川で心身とも清めて神事に入りました。
てんてんでは大神様から使わされた「はなかけ(先駆け)」がきつねやひょっとこの面を付けて社の階段から降りてくると、子供たちがいっせいに杉の葉を投げつけいたずらをします。
そのあと天狗が社の階段から降りてきます。天から降りる道中が長いということで階段の途中で草履をはきかえたり、居眠りをします。地上に降り立った天狗の手招きで獅子も階段を降りてきて、広場で獅子舞が披露されます。この時天狗が鼻をかんだ紙で頭を触れてもらうと、無病息災と言われ、来場者はこぞって頭を出していました。
私も毎年、春と秋の祭りをほとんど見せていただいています。最後にはもちまきが行われ、この祭りでは始めてもちを拾いました、そして大勢の人たち祭りを楽しみました。
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