川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

小阿坂かんこ踊り開催される

2019-01-12 21:39:16 | 日記
 松阪市内で行われているかんこ踊りの1つ、小阿坂かんこ踊りが1月12日に阿射加神社(松本明徳 宮司)で行われました。
 小阿坂かんこ踊りは、「鼓(こ)踊り」とか「御神楽踊り」とも呼ばれ、毎年1月14日に近い土曜日に行われます。かんこ踊りの呼称は、胸に吊して踊る太鼓の「羯鼓(かっこ)」が訛って、カンコと呼ばれるようになったといわれています。
 松阪市内の八地区に伝わるかんこ踊りの多くは、初盆供養踊りですが、小阿坂かんこ踊りは、豊年祈願や農耕への感謝のために神社に奉納してきた神事踊りで、小阿坂町自治会と小阿坂かんこ踊り保存会が主催して行われています。

 小阿坂かんこ踊りがいつ頃から始まったかは定かでありませんが、天明3年(1783)の唄本があることから、それ以前から踊られていたことになります。天明3年は、江戸時代(1615~1868)の中頃ですが、唄の内容から江戸時代初期までさかのぼることができるといわれています。小阿坂かんこ踊りは昭和48年(1973年)3月31に県の無形民俗文化財に指定されました。
 かつてはこの踊りは雨乞いのため夏に踊られていたことが多かったようですが、後には収穫を迎えた秋祭りとして10月20日に踊られました。また豊作の年は必ず踊りましたが、凶作の年には踊らなかったこともあると伝えられています。近年は同じ阿射加神社で行われるどんど火や御火試・御粥試とともに1月14日に近い土曜日に行われています。

 踊りは子供たちが中心となって、神への感謝とその年の豊作を祈願する踊りです。中央の大太鼓はベテランの長老が打ち、その周りを子どもたちや大人の踊り子が輪になります。踊り子は法被にタスキがけ、ハチマキをして、首から下げた羯鼓を打ちながら踊ります。その外側には女の子たちが赤い浴衣に手拭いを首からかけて、うちわを回しながら踊ります。一番外側には地域の大人たちが采(ざい)を持って輪になり、赤采を採る采持ちが踊りを先導します。また踊りの周辺ではベテランが唄を歌い、法螺貝(ほらがい)を吹きます。

 小阿坂かんこ踊りの唄の曲目は、勢子入り・悦び・世ノ中・花見・登牟田・牛若・忍ビ・・松虫・小原妓・中入り勢子入り・和歌・長崎・じんやく・鐘巻・陣立・綾・鮎釣・鐘鋳・帷子・御寺の二十曲あり、現在はこの中から勢子入り・世ノ中・花見・牛若の四曲が踊られています。