川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

飯高駅の温泉の水量が激減

2017-03-09 05:25:05 | 日記
 松阪市飯高町宮前の道の駅・飯高駅の温泉の湯が激減している。平成16年のオープンのころは12ℓ/分だったのが、平成25年以降は1ℓ/分しか出ていないという。
 温泉のキーワードは水の①温度、②成分、③水量となる。温泉法では温度が25℃以上か、またはラドン、バリウムイオン、ラヂウム塩など定められた以上の成分が混じっている場合に『温泉』という表示ができます。

 温度は火山性の地質では、火山の温度があり、和歌山県の川湯温泉のように、川原の砂を掘ると湯が出る場合もあります。飯南・飯高付近の地質は「三波川帯」という古い地層で火山性の温度は望めない。このため深く掘って地熱で温度を稼ぐことになります。ザクッとした計算では100m掘ると地温は3℃上がり、1000mで30℃上がる。これに気温の平均値(この付近では15℃)を加え45℃になる計算です。
 ただ1000m掘って温度は45℃上がっても、そこに水がないといけない。基本的には岩盤に水は含まれない。岩盤を掘り進む場合、水は岩盤の亀裂や破砕帯に含まれる場合が多く、うまく亀裂などに遭遇しないとさらに掘り進むことになります。

 掘削した当初水が出ていても、汲み上げておれば無くなることもよくある。岩盤の亀裂は斜めになっている場合が多く、別な場所で亀裂に入った雨水などは、亀裂を通って地下に浸透していく。温泉はこの水を汲み上げるのであるが、汲み上げる量に対して供給が少ないと枯れることになります。
 県内でも掘削した当初温泉が出ていたが、すぐ枯れてしまい、施主と業者の間で裁判になったという話も聞きました。基本的には水が出ないのは、掘削業者の責任ではありません。

 竹下政権の時の「ふるさと創生事業」の1億円で温泉を掘った自治体も多かった。温泉の掘削費は1m10万円としたものです。深度によっても違うし、岩盤を掘り進むのか、土砂を掘り進むのかでも異ります。1億円で1000m掘削して温泉が出たところもあれば、出なかったところもあったみたいです。

 千葉に住んでいたときに、長島温泉を掘削した人の話を聞いたことがあります。今の伊勢湾付近は太古のむかしは湖で、長島温泉付近はその湖の中央部にあたり、1500m掘削したが土砂が続いていたということです。ちなみに長島温泉の湧水量は60℃の湯が1日1万tということです。ドラム缶5本で1tですので、すごい量です。

 飯高駅では現在の掘削深度は70mで、新たに150mを想定しているという事ですが、温度は期待できず「冷泉」ということになりそうです。それでも規定の成分が混じっておれば、立派に『温泉』という表示ができます。
 井戸や温泉の掘削は、掘ってみないとわからないところがあります。昨年阿形町自治会で同町の寶蔵寺というお寺の境内に、災害時に使えるようにと井戸を掘削しました。当初10mの予定でしたが、なかなか水が出なくて結局200mまで掘り進み、やっと水が出たということもあります。
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