フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

しみじみ泣き

2015-11-10 20:57:33 | Weblog
かつて号泣議員が世界中に発信されたことがありました。あの号泣に関しては余り好意的には扱われずむしろ失笑のネタにされたほどです。しかし号泣も捨てたもんではない記事がありました。ストレス解消の方法の一つに週末に号泣することで一週間分の疲れがリセット出来るというものです。
どうもこの号泣というものは余り普通に出来るものではありません。せいぜいテレビドラマを見てしみじみ泣くぐらいで、号泣にはほど遠いのです。このしみじみ泣きは結構数は多いですね。年を経るごとに涙腺が弱まりしみじみ泣きが多くなって来ます。号泣ではないのでストレスが発散されることはありません。むしろしみじみ泣きのシーンは感動に浸るわけですから良い気分かもしれません。映画館や劇場では泣いた後を消すのに大変ですがね。
考えてみると涙を流すということは身体の中の不純物を押し出してくれるのですっきりするのでしょう。浄化作用です。風呂に入ってしみじみ泣いてすぐ顔を洗うと良いですね。

幸せ感

2015-11-09 20:59:22 | Weblog
私が組織を離れてから早くも5ヶ月が経ちます。日々の生活が変わったかと言うと朝の出勤が無くなっただけでそれほど大きな変化はありません。中国の俗語に「人が去れば茶は冷める」があります。職務を離れれば忘れられるという意味も含まれているそうです。しかし私の場合はさして変化なく、今まで通りせっせとインタビューに通い、皆さんとお逢い出来る幸せを味わっています。
先日何かで読んだ記憶がありますが「定年後は教育と教養が大切だ」というのです。へぇ、定年後は勉強しなさいという事かと思ったのですが、実は教育は「今日行く」で教養は「今日、用」のこと。つまり、今日行くところがあればいい。今日何かの用があるのがいいとつまり、定年後も何か必要とされる事が幸せであるというものです。定年後は自宅に籠る毎日で「ワシも連れてってくれ」と奥さんにすがるような、恐怖のワシ人間になってしまう事が多いので教育と教養はそんな教えなんです。定年後に慌てないように、現役の頃から準備が大切ですね。

戦力外

2015-11-08 23:55:07 | Weblog
野球シーズンが長いですね。今日から国際大会プレミア12が始まりましたから、まだまだ続きます。贔屓チームが成績が悪かったので、余韻に浸ることもなく今年は早く過ぎて欲しいと思っているくらいです。
しかしそんな中でもプロ野球界では、各チーム戦力外の選手が次々に発表されています。中にはかつて首位打者をとった選手もいれば、最高殊勲選手になった人もいます。最近まで活躍していたのにという選手も含まれることもあります。現役を全うして引退試合、さらには胴上げをされて引退する選手はほんの一握り、引退即コーチあるいは監督という選手は幸運中の幸運でしょう。
さて戦力外を宣告されて次の職場に転職する人も少ないでしょう。少なくともトライアウトを受けて、どのチームからも声をかけられない現実にぶつかるまでは。また、見栄を捨てて育成選手としてなんとか頑張ってみようという場合もあります。そこへゆくとサラリーマンには戦力外とレッテルを貼られることはほとんどありません。甘えてはいけないと実感しませんか。

聞き上手

2015-11-07 23:28:53 | Weblog
昨日は高校時代のクラブ(放送クラブ)の同窓会がありました。10年弱の年代差はあります。久しぶりに校歌を熱唱しました。覚えているものですね。
ところで年代差があるだけに自己紹介も大切です。一人ずつ自分を語るわけですが、やはり我々の世代になると話題は、病気、医者、薬の話も貴重な話材です。同病あい憐れむともなると結構、前のめりになって聞きます(笑)。その中でも、途中で質問が多くなり、自己紹介から逸れてしまうことが度々あります。アナウンサーという仕事をしているとどうもそれが気になります。ですから、一通り話し終えた後に質問するのが聞き上手のその1ですね。はやく自分が聞きたいことを質問しなければと焦るのは良くわかりますが、その辺は心得ておかなければ。
しかし聞きたいと思えない話がだらだら続く際には、難しい対応を迫られます。その対処法をお教えしましょう。かの文豪、森鴎外の言葉です。『聞き上手になる為には顔で相手の話を真剣に聞きながら、頭で別な事を考える』
参考になりますか。

話の切っ掛け

2015-11-06 23:50:29 | Weblog
人間の性格というのは摩可不思議なものです。朝、自宅前の街路樹の落ち葉を拾い集めていると出勤する若者(?)が「おはようございます」と声をかけてくれます。と言っても一人ですが(笑)。それでもその一言で次に会った時にはこちらから挨拶の声をかけることが出来ます。まさに挨拶は「人生のパスポート」です。
かつては長距離列車に乗り合わせた人と会話が弾んで、長い友達付き合いが出来たという話は当たり前にありました。最近はこうした当たり前のことがおざなりになっています。
「向こう三軒両隣」という言葉がありました。引っ越した際には「向こう三軒両隣」には挨拶に出向くのは当たり前でしたが、近頃は余りこうした光景は見当たりませんよね。
今日6日はアパートの日だそうです。マンションと言い換えた方が良いかもしれませんが、そのマンションでさえ隣りは何をする人ぞで全く付き合いがないこともよくあるようです。これでは寂しいですよね。
改めてまず挨拶から。そんな生活を心がけましょうよ。

2015-11-05 23:52:23 | Weblog
中国の三國志は時代にかかわらず人気のある物語で、読書週間の今、読みはじめた人もあるかもしれません。その主人公達の中で多少人気が落ちるのが曹操でしょうか。しかし私は曹操の言葉で好きな言葉があります。『老いたる駿馬はうまやに伏すも志は千里のかなたにあり』この言葉です。年をとってくると、どうも現状維持に腐心して志や夢を持つことを忘れがちになります。しかし生きている以上、何時であっても自分の夢を紡ぐことが大切だと思うのです。
年をとることは枯れるのではなく精神的にも肉体的にも脱力が行き届きさらなる高みや深み、そして面白みが表れて来ます。それだけに若い頃には可能性が少なかった夢も今なら叶うことがあります。ですから、若い頃描いた夢を絶対に忘れてはいけないのです。
老後のよさは他人の思惑にとらわれる必要がありません。実現するハードルが下がることもあります。志や夢は決して若い人達の特権ではないことを改めて実感しましょう。

名前

2015-11-04 22:04:07 | Weblog
今日のインタビュー相手は、「三代目コロンビアローズ野村未奈」からレコード会社を移籍するにあたって「野村未奈」だけの歌手名に変わった野村未奈さんでした。今までは、日本一長い歌手名でしたがシンプルになりました。それでも本名の漢字ではないそうです。恩師の作曲家が歌手に相応しい画数で美菜から未奈になったということです。私自身も画数にはこだわりました。本名は敬夫ですが、一画増やして敬生にしました。戸籍までは変えませんが普段は敬生をずっと使っています。一緒に番組をやっていた易学の先生に晩年運が良くなると言われて使っています。この年まで元気に仕事が出来ているのはそのお陰だと思い込んでいます(笑)。
名前には不思議な力があります。名前を変えて大成功した人の代表は野球のイチロー選手でしょう。鈴木一朗からイチローに変えてからはご承知のような活躍ぶりです。ただ子供が生まれた時には、親は将来に希望が持てる名前を真剣に考えます。子供はそこを意識して欲しいですね。

文化の日

2015-11-03 23:45:26 | Weblog
今日は文化の日です。世界各国にはそれぞれの国の文化があります。自国の文化だけが世界の文化だと自惚れてはいけません。違いを認める事こそグローバルな考え方なんです。ですから、他国の文化に迎合する必要もないのです。伝統をキチンと守ることも大切です。
その文化の一つに江戸時代の町衆のしぐさ、「江戸しぐさ」があります。そのしぐさの「会釈のまなざし」を覚えたいですね。江戸の商人たちは「会釈のまなざし」を一級の心得にしました。店員の中にはスキなく対応されても全く目を合わさない店員もいます。言葉にしても丁寧そうな言葉を乱発しても全然誠意が伝わってこない時があります。商売上のマニュアルを使っているのでしょうが、誠実さが感じられなかったらマニュアルが活きてこないのです。家族にも同僚にも目を合わせることが絆を保つことになります。
誰もが1対1の瞬間を持ちたいのですよ。ですから、ちっちゃい子供にもしゃがんで目を合わせて下さい。

夕焼け

2015-11-02 23:01:15 | Weblog
日中の雨が上がって明日の晴れが予想される時の嬉しい景色は西空に美しい夕焼けが表れることです。今日の夕暮れにも美しい夕焼けを見ることが出来ました。夕焼けを見る機会が多いのも、きれいと感じるのも、晩秋だと思いますね。その理由は太平洋側では秋になって晴天が多くなること、それから夕焼けと帰宅時間が一致することがそれに当てはまります。
ところがこの夕焼けは俳句の世界では夏の季語です。昔、良く歌いました。「夕焼け小焼け、あした天気になあれ」「夕焼け小焼けの赤とんぼ」特に小焼けの小の意味があるわけではありませんが、何となくリズムの良さを楽しむ為に使われたのでしょう。
今のように気象観測が進んだ時代とは違って言い伝えが主流の頃には「夕焼けの翌日は晴れ」というのがお天気を巡る最古の言い伝えとされていました。ですから西空に夕焼けが表れると何とも嬉しい気がしたものです。履いている下駄を投げて予想するよりも確実な予報だったのです。

読書週間

2015-11-01 23:28:19 | Weblog
読書週間です。活字離れが言われていますが、電車の中で結構本を読んでいる人も多くいます。私も読書派ですが。
さて、素敵な本に出会う方法を考えてみましょう。それはまず好きな作家を見つけることですね。好きな作家が書いた本は全部読みたくなります。本を読むのにこう読まなければいけないという決まりはありません。ただ意味を考えて読むようにしなければなりません。解らなければ何度も読むことです。そうすると、この文章を声を出して読むには何処で息継ぎをすればいいか、何処で文が切れるかが自然に理解出来るようになります。このように読むことと書くことが根本で繋がっているので、しっかり読むことによってわかりやすい文章を書くことが出来る力をつけることが出来るのです。
読書といえばもう一つ快感があります。それは本の重さです。本の重いという快感を知らずに一生を終わる人の気が知れないというのは大袈裟でしょうか。是非読書週間、秋の夜長、本とともに過ごしてみましょう。