フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

一声

2007-11-29 17:23:48 | Weblog
「一声」でも鶴の一声ではありません。鶴というのは気管がぐるぐる胸の中で巻いていて、それがラッパの様な働きをしているため、鳴声が大きくて鋭い声になるそうです。
さて、それではなくて今日の地下鉄の車内での事ですが、少しの隙間をゆずってもらって腰を掛ける際に、一声も発せずにお互い顔がこわばったまま行動をおこすのです。「いいですか?」「どうぞ」「ありがとう」というわずかな言葉さえ出てこないのです。黙々という言葉はここでは当てはまらないのですが、ほんとに他人には皆だまったままの生活に慣れてしまったのでしょうか。
世間のいう「一声運動」は、一人暮らしの高齢者や高齢者世帯の人達を見守る一声をいうのですが、普段から他人に優しく一声かける事がいかに必要なのかをもっと理解しなければいけません。
本来は勇気をもった一声をと言うところですが、当り前の一声を当り前の様にかけることが今こそ人との出会いに必要です。
「笑顔で一声」これが浸透すれば殺伐とした世の中が多少やわらいだ雰囲気になるのではないでしょうか。