フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

足音

2016-04-23 23:46:03 | Weblog
熊本からの避難所のニュースで涙することが多々あります。その中でこの記事には泣かされました。避難所で生活している車椅子の女性の話です。トイレに行く時に車椅子で移動するのですが、寝ている人の間を車椅子で通ることに物凄く神経を使い、辛いと言っています。どんな思いかと考えると涙が出てきます。こうした神経を使える人がいれば、世の中、最近の人達の足音は荒いと思います。講演会で喋っていて遅れてきた時は、ぬき足、さし足、しのび足が常識ですが、結構、荒足、けり足、ズカズカ足が時々あるんですよ。穿った見方をすれば足音で自分を現そうとしているかと思うくらいです。
ところで動物は余り足音をたてないそうですね。象ですら歩くときは静かです。足音が荒いというこの現象は、何を表しているのでしょう。やはり気遣い不足でしょう。周りを見ないで自分の世界に没頭する傾向の中で生まれた現象ではないでしょうか。根本には避難所の人達のような細やかな神経があると思います。