麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

いのちのたいせつ

2007年03月20日 | 鑑賞
 目に留まり始めたな、と感じていた卒業式の袴姿が、今日あたりからグッと増した気がします。
                 
 さて、昨夜は同じ和服でもモンペや遊女の着物が沢山登場する芝居を観ました。

 第四回杉並演劇祭参加作品シアターブロック『いのちのたいせつ』(構成・演出/新城聡 於:杉並公会堂小ホール)。木下順二、太宰治、織田作之助、三好十郎の世界に“舞台の可能性の試み”とサブタイトルを付した意欲作でした。全10編。
 
 簡単にいえば、戯曲ではなく詩や随筆や短編などをテキストに演劇化したもの。
 個々の俳優がよく鍛えられていて、例えばオープニングの『女工哀史』では、闇の中に群唱が交差して響き、繭を紡ぐ女工が浮かぶと彼女らは(繭糸だけに)一糸乱れぬ動作で物語を(紡績工場だけに)紡いでいく・・・。
 独特の世界観で観客を一気に引きずり込む力があった。

 後半の、まず演出でもある新城聡が『マリヤ達』を一人で読んだあと、女優たちが登場して台詞割して動きながら『マリヤ達』を演じるのも面白かった!
(リーフでは「マリヤ達より-オマージュ/マリア達」とあるので、正確にいえば取り上げた作品は9編ってことになる)

 会場となった「杉並公会堂」は、名前こそ古めかしいというか、実際古かったのをリニューアルしたもので、つまり昨年6月オープンしたばかりのピカピカのスペース。その、まだ手垢のついていない新築の匂いやデザインを含む無機質さと、作品群の持つ時代性や土の匂いや生きる営みのミスマッチ、あるいはそれを繋ぐシアターブロックの、内面に漲る力強さと表現としての様式性。。。それらの相反するモノの混ざり具合が非常に良い化学反応を起こしていたと思う。

 公会堂を古めかしいと書いたが、杉並同様改装は行われているので一概には言えないが、公の大型施設の名称は、公会堂-文化会館(市民会館)-文化センターと時代によって変化してきた印象がある。あくまで印象です、違ってたらゴメンなさい
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PASMO

2007年03月19日 | 身辺雑記
 熊本から帰って来ました。
 大変、意義のある会議でした
 でも少しく難しい話になるので、改めて機会があれば…。

 で、熊本に行く羽田空港で「チェンジングボード」ってものを初めて観た。トイレの個室の隅に、体重計を立て掛けたみたいなのがあって、「手前に引いてください」と書いてある。品名の後にかっこで(きがえ台)とも。
 書いてはいないが、ビジネスのオンからオフへ、気候の違うエリアからの移動などの着替えにお使いくださいということだろう。
 あまり飛行機に乗らないから、いつそんなものが登場したか知らないけど、なるほど便利だよな、とは思った。
便利といえば、僕が南の地に行っている間にパスモがスタートした。いよいよJRと私鉄ともに使える、電車に加えバスにも使えるカードの誕生だ。とゆーと、スイカの立場がない。JR東日本のSuicaの機能が大幅にアップして、それと同様の機能を持つPASMOが出たのだ。
                           
 で。旧スイカを、私鉄乗り入れがないという理由で僕は使ったことがなかった。今回の新システムのスタートで、ボチボチ持ってもいいかな?と。持って「も」とゆーことは逆にいえば、まだ入手していないのだけれど・・・。

 新しモノ好きではないので、次世代携帯もiPodもWiiも・・・つーか、MDすらPSすら持ったことがない人なんだけど…… 

 話を戻しましょう。JR西日本にはイコカ(ICOCA)、JR東海にはトイカ(TOICA)など同様のICカードがあって、JR九州も09年春以降のサービス開始を睨んでいるのだとか…。
 そうそう。帰りの空港へのバスを待つ間に“SUNQパス”の広告を路線バスのどてっ腹に見た。九州全域のバス乗り放題のパスらしい。ICカードではないでしょう。たぶん。便利なカードのくくりでのご紹介です。
 
 確かに九州のバスは発達していて、僕の乗っバス停「通町筋」は特に中心街だから、ひっきりなしに様々なバスが来ては去って行った。。。

 九州演鑑連の総会に出たのは、昨年につづき2回目。場所も同じ所だった。結局今年も、今書いたバス停と、ほど近くのホテルの往復に終わった。熊本城は勿論、どこも観光できない上に、いまだJR熊本駅がどこかもわからぬ有様だ。
 まあ仕事で行っているんだから仕方ないけど・・・

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いろんな乗物にのって。。。

2007年03月16日 | 東演
 今日は、劇団のワゴン車で大月倉庫に行く。
                      
 我々の拠点であるパラータは、最寄駅から少々距離があるので、公演を打つときそのワゴン車でお客様を送迎する。『朗読劇/月光の夏』のような小品では、キャストスタッフが乗って現地に乗り込むツアーバスにもなる。大変便利な車である。

 明日は、熊本に会議に行く。
そのことは帰ってゆっくり書くとして、勿論、飛行機だ。
                    なので、土日は
                         ブログお休みです。

 昨夜は、一度家に帰ってから、桃唄309『トレインホッパーズ』を鑑賞!
 高円寺から中野まで、チャリンコで行った。
 今日は、『恋でいっぱいの森』に客演いただく橘憲一郎さんの出演するJ-theaterプロデュース『亜細亜異聞録』をサイスタジオコモネBへ。地下鉄利用になることだろう・・・。

 電車といえば、下北沢駅半地下化の工事に伴い、駅舎と隣接するビル「アドニス」が閉鎖解体されたのにつづき(この件は2/8付弊ブログに詳しい)、駅舎1階の箱根そばが、昨日15日に閉店。今朝、おばちゃん達は後片付に追われていた。

 もともと改札のある2階から移転した小田急グループの「立ち食いそば」だから、きっと新駅完成のあかつきには復活するのだろうが…。いや、つい数年前までの三十ウン年を小田急沿線で暮らしたハコソバマニアとしては、切符売場はなくとも箱根そばは造ってほしいくらいの意気込みだ!!!

 話が蛇行運転してますが…、そんなこんなの週末です。
 そうそう。今日の大月行きは弊団俳優・辰巳次郎が舞台監督を務める作品で、うちの備品を使うので、それに便乗して『子宝善哉』(05年7月アトリエ自主公演)の衣裳をピックアップするため。
 『子宝』を書き下ろした門肇氏自らが、今春『子宝』を演出するそうで、そこに貸し出すためである。
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総経理帰国

2007年03月15日 | 東演
 総経理とは、中国語の「社長」である

 昨日、中国に出張していた弊団の社長・・・正確には法人格を持たない劇団の下に位置する常勤者(制作と経理)が所属する会社組織の社長で、劇団の代表とは違うのだが・・・が、帰国しました。
上海などを回り、当初の予定通りこの秋5都市での公演スケジュールを詰めてきたのだ。
 上海、武漢、北京、長春、大連を巡り、その全てが「日中国交正常化35周年」の記念事業に当たる。また、武漢は3年に一度開催される中国最大の芸術フェスティバルへの招聘でもあり、さらに今回の渡中で「第9回上海国際演劇祭」のプログラムに加わることが決まった!
 
 何だかオオゴトになってきてますが、力の限り頑張って、日中友好の架け橋の釘の一本にでもなれればと思う敏腕“国際派”Pなのである。
 思えば前回の訪中公演は、国交正常化30周年記念だったわけで、もー5年になるのだな…。

 ちなみに、中国の作家・沈虹光さんの『臨時病室』と、6月にパラータで上演する原初的ミュージカル『恋でいっぱいの森』の2本を引っさげての、約1ヶ月のツアーになります!
 東演得意の“観劇ツアー”の詳細も、今回の打ち合わせで日程も固まってきたので近々出せそう。もうしばし、待ってくださいませ。

 昨日、早速ビデオを見ながらざっとの報告を聞いたのですが、万博や五輪に沸く2大都市はもちろん、国ごと大きく変貌する“眠れる獅子=中国”の勢いが感じられました。例えば、ピッカピカの西洋ブランドの車(生産は現地法人)が片側4車線もザラな広い道路をビュンビュン駈け抜ける画像からあたかも、ゆっくりと立ち上がる百獣の王の咆哮が!
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お誕生日だんご

2007年03月14日 | 東演
 今日はホワイトデー
 さて。日々、ダンス&ヴォーカルのレッスンに汗を流す東演であるが、昨日は唯一在籍する創立メンバー・笹山栄一と、酒田真弓の誕生日であった
 明日は能登剛。18日には奥山浩、19日に土橋隆弘と、なんだかやけにお誕生日が集中しているのだ。3月ってくくりになると、少し先になるが伊藤奈緒美(25日)、星野真広(27日)も。おお、座友の田所千鶴子さんも3/18か・・・。
 そうそう、座外だが『大地のカケラ』の演出をお願いした河田園子嬢も、笹山、酒田と同じ13日生まれで、二人とも『大地』のオンキャストだったことから、その稽古中、えらく盛り上がったのだった。
                                 
 そんなこんなで、昨日は『恋でいっぱいの森』の制作担当の一翼・田中勝が「誕生日お団子」を買って来たので、みんなで食べた。(もう一人のP、横川功は秋の訪中公演の打ち合わせの為、中国に行っており不在)
ミュージカルのレッスン中のバースデーに団子?
 でもまあ、原初的ミュージカルと銘打って、いわゆるひとつのミュージカルとは一線を画す、東演オリジナルのミュージカルを創っているのだから、そんなミスマッチはむしろ相応しいのかもしれない。
 何より美味しかったし
 桃色や草色や薄茶色・・・色とりどりの小さなお団子はまた、春らしいやわらかい彩りを稽古場にもたらしてもいた。

 街は、一日一日春に近づいて、通勤の電車の中も箱根等へ行楽へ行く人の姿が目立つ。既に春休みの学生・生徒も多いのだろう……。
 マンションのゴミ収集室には、転居を思わせる不要品が目立ってきた…。
 開花が早いと言われた桜が「やっぱ4月に桜がなきゃ」と踏ん張りをみせてもいる07年亥年の春は、さて、どんな色を見せてくれるのだろうか?


 
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静と動(後編)~倭人の噂

2007年03月13日 | 鑑賞
3/11が千秋楽だった2本の対照的な、けれどもどちらも素敵な芝居だった『イメージの世界』と『倭人の噂』。今日は「動」の後者について。
       
 劇団スーパー・エキセントリック・シアター『倭人の噂』は、弊団に『大地のカケラ』を書き下ろしてくれた、はせひろいち氏の作品。文化庁の人材育成事業の「創作劇奨励公演」でもある。演出は八木橋修氏。

 東京芸術劇場中ホールの大きさを十二分に駆使した歌ありダンスあり、アクションにロングスティックを使ったストンプなどのパフォーマンスありのエンターテインメントてんこ盛り。中ホール常設の盆舞台もグルグル回っておりました。

 『大地』もそうでしたが、静かな台詞劇に定評のあるはせ戯曲が、おおS・E・Tにかかれば、なるほどこーなるのだナ。。。と、とにかくサービス満点の2時間半(休憩あり)は、と同時に、はせさんらしいメッセージもしっかりあって、是非首相をはじめとする政治家諸氏に観てもらいたい舞台であった(実際、安部首相は過去にS・E・Tを観たことがあるらしいが…)。遠き太古の時代、卑弥呼たちの「国」を借りて、国家とは、政治とはを突きつけて来る。
 そのメッセージをうまく笑いに包み込んだ、バランスも絶妙

 そうそう、ふんだんに盛り込まれた歌の詞も、はせさんが手掛けていて、これがまたグッとくる 新たな一面見たりだ!! その意味では、劇団事情から少人数の作品が多いはせ作品が、本作では30名近いキャストが生き生きと動いていて、その点でも興味深かったりする。。。
 関係上、どうしても「はせ目線」になっちゃうなあ…

 とにかく。3/9~11のたった3日4ステージってのは、余りにもったいないと思わせる力作だった。

 6月のミュージカルに向けてレッスンに入ったばかりの東演的にも、普段から積みあげているS・E・Tとは勿論較べようもないのだが、大変参考になった。

 明らかに蛇足だが、S・E・Tは三宅裕司氏率いる劇団で、ただ今回は三宅氏や小倉氏ら看板俳優抜きでの公演だった。二人の出演する舞台を見ていないから言いづらいが、恐らくそれが良い意味で、紀元3世紀の得も言われぬパワーを醸し出す一
因になっていた。
 また、はせ氏は岐阜在住で名古屋を中心に活動するジャブジャブサーキットの代表なのだが、日曜日のの東演「準劇団員」試験受験者の中に、深夜バスで名古屋から駆けつけて来た方がいた。
 だから何?って話だけれど…。
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静と動(前編)~イメージの世界

2007年03月12日 | 鑑賞
 昨日(3/11)千秋楽だった2本の対照的な芝居。『イメージの世界』と『倭人の噂』は、どちらも素敵な作品でした。
                              
 昨日観たユニークポイント『イメージの世界』(作・演出/山田裕幸)は3/2~11、下北沢OFFOFFシアターにて。千秋楽は補助椅子もフルの満席でした。

 1時間10分ほどの小品ながら、十分にボリュームのある舞台。(公式には13分とのことだが、10分と十分をかけてみました。
 蛇足です

 オフオフの小さな空間は、とある私立高校の休憩室。学校の方針で採用された車椅子の教師。彼がその説明を受けに春休みに来校してから文化祭を終えた2学期の試験前までの数ヶ月を僅か70分に凝縮して描く。
 彼と同居する女性や彼のリハビリを担当した理学療法士、市民運動家など、学校の外の人間と、当然ながら同僚の教師たちに事務員、清掃員など内の人間を散りばめて、話は展開する。
 
 表題からいえば「静」に区分させていただいたが、静かに流れる時間の中に、大きなテーマがしっかり埋め込まれている。山田氏自身教壇にも立つが、本作はあくまで舞台が「学校」なのであって、教育~例えば昨今の重要案件いじめや学級崩壊~についてメッセージしているわけではない。もっと大きな現代社会への、しかも建前ではない問い掛けになっている。

 と、言ってる僕の文体が少々硬いけれど、身障者である清掃員や市民活動家のキャラクター作りに山田ワールド特有のユーモアというか、警鐘を含んだ覚悟のあるからかいというか、毒のある笑いも散りばめられていて、飽きずに観られる。
 
 05年『トリガー』でテアトロ新人戯曲賞を受賞してから、さらに輝きを増すユニークポイント。今年は6月に1ヶ月のロングラン、10月には交流のある韓国の劇団とのコラボを企画するなど、快進撃は止まらない!
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恋森07、その魅惑の配役は(2)

2007年03月11日 | 東演

 一昨日につづき『恋でいっぱいの森』の配役の話。
  (緑の文字が今回の出演者、ただし役の重なっている俳優は下線

 顔が会えば機知に富んだ口喧嘩になるベアトリスとベネディック。誤解から一度は破談になる若い恋人ヒーローとクローディオ。この2組のカップルを巡る『から騒ぎ』の・・・ベアトリスには江上梨乃。ベネディックには進行役(オーベロン)の能登剛が扮します。ヒーローを演じる飯島真弓(客演)のパートナー・クローディオには奥山浩
 それを取り巻く面々は。。。知事・レオナートに豊泉由樹緒、戦を勝利に導いた大公ドン・ペドロに原野寛之、兵士・バルサザールに橘憲一郎(客演)、侍女・アーシュラにはパックでもある酒田真弓

 そして、最後に控えしは『お気に召すまま』・・・訳あって逃亡の身となったロザリンドは男装してギャミニードと名乗り、公爵の娘・シーリアと森へ逃げ込んでくる。前者を古田美奈子、後者を酒田真弓。そう、パック役は大忙しだ!
 羊飼い・シルヴィアスには星野真広。初演と同じ役は唯一星野のみ(初演は奥山とのW)。彼が恋するフィービーには、妖精の女王タイテーニアの小池友理香
 進行役の3人が様々な役に転じるのも『恋森07』の見所のひとつとなる(一昨日のブログも参照くださいませ)。
 おっと、男装の麗人ギャミニードから恋のてほどきを受けるオーランドの南保大樹。以上、俳優は計15名となります。

 参考までに、初演の「から騒ぎ」「お気に召すまま」の配役を付せば・・・
 ベアトリス=河野あや子(休団)、ベネディック=小高三良、ヒーロー=山廼邉広美(退団)、クローディオ=南保大樹、レオナート=笹山栄一/小池幸次(故人)、ドン・ペドロ=辰巳次郎、バルサザール=寺本匡利(退団)、アーシュラ=岸並万里子/小林久仁子(退団)
 ロザリンド=青木成美(退団)、オーランド=国分武由(退団)
、シーリア=酒田真弓/和泉れい子、シルヴィアス=奥山浩/星野真広、フィービー=安田扶二子

 様々な森を舞台に絡まる、様々な恋の行方は…
 ああ、あまりに待ち遠しい6/1(金)。梅雨空を吹き飛ばす東演的音楽劇、乞うご期待!

 

   

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恋森07、その魅惑の配役は(1)

2007年03月09日 | 東演
 『マーヴィンの部屋』を終えて、一週間のオフを楽しんだ東演演技陣は、昨日からダンスレッスンに突入

 今回の『恋でいっぱいの森』への配役の如何を問わず、劇団一丸で臨んでいますが、やはりキャストについて、気になる読者は多いと存じます。
 初演は創立45周年に向け座内の熱が高まる中、まさにフルキャスト~上は創立の70歳代から入団間もない準劇団員まで~で臨んだ。
 6年ぶりの再演となる今回は、シェイクスピアの喜劇群が持つ、本来のスピード感を生かすべく、若手を中心の座組になった。

 『夏の夜の夢』『から騒ぎ』『お気に召すまま』・・・3つのお話しをゴチャマゼにした『恋森』、その糸を手繰り緩める進行役は3人。
 まずは森の王オーベロンに能登剛。初演は劇団長老の笹山栄一と小池孝次(故人)がWで務めていた重要なポジション。腰越夏水の演じた女帝・タイテーニアには、前回、娘役ヘレナを演じた小池友理香がシフト。若手から中堅へ。劇団内でも座をリードする位置に移行する時期だが、まずはこの作品で。
 久瀬新子(退団)、福田雅美のWだった悪戯な妖精・パックに酒田真弓。日本舞踊の名取でもある彼女が、どんなダイナモぶりを発揮するか楽しみだ。
 以上3人が“物語の森”の中に神出鬼没に現れて消えます。

 で。物語の先陣を切るのは『夏の夜の夢』の若い恋人たち。
 ハーミア=藤田幹子(故人)→笹村香苗、ヘレナ=小池友理香→宮沢磨由(客演)、ライサンダー=吉川博史(客演)→姶良勇一、ディミートリアス=寺本匡利(退団)→橘憲一郎(客演)という編成。 笹村が2年目、姶良が3根年目に入るが、それぞれキャリアのある客演を向こうに回して更なる飛躍をして欲しいところだ。

 2に続く 
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恋森07、まずはダンスから

2007年03月07日 | 東演
 『恋でいっぱいの森』は01年に初演。原初的ミュージカルと謳って、なかなかの評判をいただいた
                     
 さて、そもそも“原初的”とカッコ良く言ったものを噛み砕いて説明すると。。。

 宴の席で興が乗って、やがて手拍子で歌い踊ったところに、そもそも「芸能」の糸口はあって、長い歴史の中、それにこよりを重ねて重ねて進化発展分岐し、現代の「ミュージカル」は鍛え抜かれた体と技を有した・・・つまりは、体脂肪率限りなく0、足は頭の上どころか反対側の肩くらいまで上がる・・・超人(?)が、一糸乱れずsong&danceするものになっている。
 それはそれで今後も前進を続けていただきたいものだが、同じ器でも、手の込んだ芸術品と素朴な生活用品があるように、そして値段は別にして、そこに貴賤がないように、歌や踊りの素養のない者たちの「ミュージカル」があってもいいよネ、というのが、あえて“原初的”と謳った所以である。

 創立以来、前述の「分岐」のもう一方の大きな幹であるストレートプレイの領域で頑張ってきた俳優達によるミュージカルへの挑戦!
とはいえ、本当に舞台上で、呑んで盛り上がったところで「オッパジメル」ものを皆様にご覧いただくわけにはいきません。
 これから、ビシッとレッスンは積みます。けれど、3才からバレエを10才から声楽を…と精進してきた方々には勿論遠くとおくとお~く及ばないのは明らかなので、そこは芝居の「新劇的」な構築力を上手にブレンドしてお見せしたい、と。

 このあたりが“原初的”と並んで、キャッチコピーにしている「ミュージカルの苦手なアナタにおくる」に込められており、僕はそう思っていないけれど、よく言われるニュージカル特有の「嘘くさい」台詞回しのない舞台を・・・と、そんな思いでこさえた『恋でいっぱいの森』が、いよいよ再演!!
 まずはダンスレッスンが、明日からスタートなのです

 昨日は、今回福田善之さんとともに演出を担う福原圭一さんが来団。ダンスと歌の先行稽古の打ち合わせ等、制作の田中と行った。
 そう。演出が福田&福原なら、振付は初演の土居甫さんに、前回は助手だった渡辺美津子さんが加わり、さらに日舞の西川鯉之祐さんという3人体制。そして制作も横川・田中が、初めて揃ってのプロデュースと、6月の東京公演は勿論、秋に武漢での「中国芸術祭」参加が控えるだけに、かなりの大事になっている

 まだ先だが、そんな『恋森』の魅力について、しばらく書いて行きましょう…。  
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