さて、昨夜は同じ和服でもモンペや遊女の着物が沢山登場する芝居を観ました。
第四回杉並演劇祭参加作品シアターブロック『いのちのたいせつ』(構成・演出/新城聡 於:杉並公会堂小ホール)。木下順二、太宰治、織田作之助、三好十郎の世界に“舞台の可能性の試み”とサブタイトルを付した意欲作でした。全10編。
簡単にいえば、戯曲ではなく詩や随筆や短編などをテキストに演劇化したもの。
個々の俳優がよく鍛えられていて、例えばオープニングの『女工哀史』では、闇の中に群唱が交差して響き、繭を紡ぐ女工が浮かぶと彼女らは(繭糸だけに)一糸乱れぬ動作で物語を(紡績工場だけに)紡いでいく・・・。
独特の世界観で観客を一気に引きずり込む力があった。
後半の、まず演出でもある新城聡が『マリヤ達』を一人で読んだあと、女優たちが登場して台詞割して動きながら『マリヤ達』を演じるのも面白かった!
(リーフでは「マリヤ達より-オマージュ/マリア達」とあるので、正確にいえば取り上げた作品は9編ってことになる)
会場となった「杉並公会堂」は、名前こそ古めかしいというか、実際古かったのをリニューアルしたもので、つまり昨年6月オープンしたばかりのピカピカのスペース。その、まだ手垢のついていない新築の匂いやデザインを含む無機質さと、作品群の持つ時代性や土の匂いや生きる営みのミスマッチ、あるいはそれを繋ぐシアターブロックの、内面に漲る力強さと表現としての様式性。。。それらの相反するモノの混ざり具合が非常に良い化学反応を起こしていたと思う。
公会堂を古めかしいと書いたが、杉並同様改装は行われているので一概には言えないが、公の大型施設の名称は、公会堂-文化会館(市民会館)-文化センターと時代によって変化してきた印象がある。あくまで印象です、違ってたらゴメンなさい