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麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

ローレンコと本多まち

2007年03月26日 | 鑑賞・まなび
 父母ともに舞台俳優で、自らも東演に所属し着々と力をつけている安田扶二子(2000年入団)と、芝居の質に映像系の匂いがする早川周氏の夫婦役は、なかなかなか見応えがあった。
 昨昼、盛況のうちに幕をおろした『燕のいる駅』(作/土田英生、企画・演出・制作/千田恵子)の話である。
人身事故で東海道線と京浜東北線がダブルで止まり、僕も巻き込まれ派であった。主催者側の賢明な処置で、10分おしでの開演。おかげさまで頭から観られました。

「日本村4番」駅にはのんびり屋の駅員高島がいて、人身事故の対応におわれている。・・・時は、戦争の足音の聞こえる近未来。日本人以外を収容所に入れる動きもある。けれど、駅舎に作った燕の巣には沢山のヒナが孵っている・・・。

 そんな『燕のいる駅』で、弊団の安田が演じる「本多まち」と、早川氏演じる母が外国籍の「ローレンコ二郎」は、新婚早々引き裂かれることとなる。そのあたり、きっちり小劇場ワールドで、変に湿っぽくなることもなく、笑いではぐらかしながらも、それが余計悲しさを強めたりするのだが……。
 その男と女の思いの違いや残す者と残される者の違い、国籍の違いなど、様々な差違が、冒頭の異なる演技の質によって、より明確になるのが、僕には面白かった。
                 
 ひとつボタンを掛け違うと、バラバラになるところを、うまく着地させた演出の力も称えたい。
 このシーンに限らず、13人の出演者中5人が青年座と、ベースをしっかりしたところ(青年座の養成所出身もいて、それを含めるとさらに青年座率は上昇)に、東演を含む色を添えて、プロデュースならではのアンサンブルをみせた千田恵子氏の、演出の手腕。
 さらには、カワサキという様々なカテゴリーの人が構築する街で、この芝居を打った企画力も合わせて・・・決して世田谷区民上演グループAでお世話になったからではなく・・・高く評価したい!


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