麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

ていくあうと

2020年04月18日 | 身辺雑記
不要不急の外出を控えながら、
生活必需の買物や健康維持の散歩は
許されて…は受け身に過ぎるな
買物や散歩を選択して街に出る。

街に目立つのはテイクアウト。
外食産業が「中食」にチャレンジ。
だけれども苦戦は否めない。

外食の、夜が主戦場の店は
ランチ営業に出張っている。
そりゃ、6時だか7時にアルコールの
ラストオーダーとなれば……
「演劇オーケーだけど一幕だけ」とか
「開幕から30分でおしまいです」と
言われるようなもの。
・・・分かりにくいか?
理容美容院で後ろ髪だけカットok的な。

うまい例が浮かばいので諦めて先に進む。

同じ「水商売」をナリワイとする者として、
ランチを始めた居酒屋で食事

数分後、御高齢の紳士が隣に座り、
いきなり熱燗を三本頼んだ。
暫くして妙齢の女性が合流。

「あんたが遅いから、3000円損した」
「口に手を入れられて、ギャー」
「トマト出してくれないんだよ、トマト」
「幸せね、つきあってくれる人がいて」

時勢から距離はとられているから
途切れとぎれボリューム大の部分が耳に。
それを勝手に繋ぎ合わせると、
淑女はパチンコ屋で時間を潰したあと、
通院を終えたダンディーと待ち合わせた友人。
店の常連らしく時折店員とも会話していた。

レコ大第一回の大賞『黒い花びら』の水原弘が
昔このあたりで…と紳士が説明し始めれば、
若い人は知らないわよ、と淑女が遮り。
野沢菜おいしいわ、とレディーが矛先をかえると
ダンディーがさっき不味いって言ってたろ、
お前はアベか、嘘つきだなと混ぜ返す。

めおと漫才である。だが本当の夫婦ではない。
このような関係性が増えていると聞いてはいた。
本当に存在していました。

彼女の言葉ではないが幸福な時間だと思いつつ、
最後の唐揚げを摘まんだ。
もっと二人の話をテイクアウトしたかったが
味噌汁をズズっとして、席を立った。

ダンディーが大きめのゲップを三発。
レディーは眉をひそめ威勢よく叱ったが、
たぶん二発目からはわざとだろう……。

俳優座『八月に乾杯』はエレガントな
老齢の女と男の、一夏のロマンスだが、
リアルな一春のデートを、池袋に見た。

その店はロマンス通り商店街にあった。
コメント
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