麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

38度

2017年08月17日 | 身辺雑記
時代劇で、主人公が湯につかる。
外から娘が「湯加減いかがですか」
と鈴を転がすような声で訊く。
「いい加減じゃ、かたじけない」
侍は夜に染みる低い声で答える。
額の汗を払う娘の手には竹筒……。

現代の若者はそんな場面を判るのか。
キャンプで薪に火を点けたり、
しないまでも他人のする様を
見ている可能性は大いにある。
そう馬鹿にしたものでもないか。

昭和の風呂はガスが主流になり、
子供でも容易に沸かすことができた。
ただテレビに夢中になって、
ボッコンボッコンと泡がたつほど
沸かし過ぎて怒られたりもした。

随分と前から温度調整が可能で
まったく便利極まりないぞ。
\(^_^)/

さて。八月に入り、関東は毎日雨。
晴れ間がないわけではなく
一日のうちに必ず降る時間がある。
そんな連続降雨が二週間以上。
1977年以来四十年ぶりの珍事で、
その年の22日間(6日~27日)が
八月の最長記録だそうだが、
それを超える可能性すら見えてきた。
今日も降ったから、記録まで5日。

気温も低く、昨日は十月の気温。
思わずシャワーの設定を38度に。

このところの国際情勢に加えて、
終戦記念日前日に見た芝居が
特攻隊を題材にしたもの、
という流れを汲めば、北緯38度の
朝鮮半島に引かれたラインのこと、
更には我が国の国防についての
ブログと思った方もいたかなぁ~
(^_^;)

ただ。
38度のシャワーを浴びて向かった
紀伊國屋ホールで拝見したのは、
海の特攻「回天」で生き残った男と
その家族の「今」の話。

やはりこの時期に「平和希求」の
舞台のみならず映画、テレビは
たくさん上演上映放送される。

多いテーマだけに、題材など、
それぞれ工夫を凝らしてもいて。
昨日の芝居は、祖父の痴呆と絡め、
介護問題にも触れる舞台だった。

戦後七十二年。
若き学徒兵が八十後半から九十代に。

色々と考えた一夜。
反芻しながら風呂にひたる。
普段この時期は37度なんだが、
前述のように「たった一度」高い湯。

忘れないように・・・と
言っても実体験はしていない。
伝えていかなければ・・・と
いうほど詳しくもない。

ただ、だからって「サボる」と
ボッコンボッコンと爆弾が落ちて、
国土が焦土に化してしまうやも……。

「たった一度」の人生だからな。
僕もだし、今の若者もだし。
これから生まれ来る命達も皆。

雨の間隙を縫って「たった一度」の
短い命を精一杯に、蝉が鳴く。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする