麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

すばるときつつき

2008年09月22日 | 東演
 劇団の帰り途
古本屋の店先の100円ワゴンに、目ぼしい文庫本がなかったので「小説すばる」を買った。

 1987年、集英社から出た大衆文学系の月刊文芸雑誌(創刊当時は季刊)である。(純文学系の「すばる」とは別雑誌)

 その2005年10月号。

 号数はどーでもいい。
 久しぶりにこの手の雑誌を手にした。良くないことだ。おそらく芝居の種がたくさん埋まっているはずなのだ。反省しつつ、頁を繰る。

 悔恨の気持ち(?)はすぐ去って、二段あるいは三段組の、そうして、いかにも文芸雑誌なイラストがたまに挟まるレイアウトの、なんとも良い景色に心満たされる。

 懐かしいとも思う。

 絶対内緒だが、大学時代、文芸同人誌を遊びで作っていた。
 遊びは謙遜ではない。文学部は文学部でも中国哲学文学科とゆー、聞いた人は「は?」とか「え?」と必ず言うし、そもそも通ってる連中の八割方が意味不明のまま1500日に満たないキャンパスライフ(中哲だけに大学生活と記すべきか?)を過ごしたことと思う。

 そーゆーところなのに、中身は中国哲学に関する考察でも、直近の中国文学の翻訳でも、少し敷居を下げて中国に材を得た小説でもなく、日本語のなんちゃって小説や詩やエッセイであった
 で、本気で作家を目指してるのは相澤だけで、あとは教師、公務員、流通業界を経ていつかは百姓をやるんだ!と宣うような輩がメンバーだった。

 えーと…。あ、遊びでやってたって話だ

 当時はまだパソコンは高嶺の花で、ワープロでちまちま編集していた。
 中学時代、市の学級新聞コンクールで入選を果たしたキネヅカの僕が、その手の文芸誌のスタイルを真似てディレクションしていて、その力は今も劇団の機関紙や製作者協会の会報を手掛ける際に役立っているわけだが・・・まあ、とにかく、久しぶりに文芸雑誌を手にして、懐かしく思ったという話だ。

 さて。小説だのエッセイだのといえば、『空ゆく風のこいのぼり』の作者、藤井貴里彦さんは、なんと劇作のほかに童話も手掛けていて、『きつつきのとどけもの』『野原の麦わら帽子』などを書かれている。それぞれ「ふるさと童話館・宮崎」(リブオ出版)、「みやざきの自然/4号」に収められている。
 前者を読ませていただいたが、大人の鑑賞に足りうる話だ。
 藤井さんらしい優しさの中に警鐘の効いた秀作、是非読んで欲しい作品です。

『空ゆく風のこいのぼり』のサブテキストにもなりうるでしょう…。
 
 ◎つづく◎
コメント
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