■「PK/PK」(2014年・インド)
監督=ラージクマール・ヒラニ
主演=アーミル・カーン アヌシュカ・シャルマ サンジャイ・ダット
傑作インド映画「きっと、うまくいく」の監督、主演による新作「PK」鑑賞。
冴えないテレビ局に勤めるヒロインが、町で見かけた変わり者。
彼は調査のため地球に降り立った異星人で、宇宙船を呼び出すリモコンを探し続けていた。
彼の鋭い視点と意見に興味を持った彼女は、彼の探し物を手伝うことに。
そこで起こる珍騒動を、笑いと涙と人間ドラマ、そして明るいダンスで描く。
前作ではインドの貧富の差やエリート意識を皮肉ったが、今回は宗教に切り込む。
多様な宗教信者が国内におり、その宗教が原因で国境さえも変わったインドを舞台に、
ここまで既存宗教や宗教ビジネスに対して疑問を投げかけたことにまず感動。
そして偏見や思い込みが人生を狂わせていくことが、実に丁寧に語られていく。
僕らが映画に求める楽しさが、これでもかとてんこ盛りになっていながら、
決して脱線もせず、見事な伏線回収でラストまで飽きさせることはない。
裸で地球に降り立った主人公が
衣服や金銭を調達する方法には大笑い(「ターミネーター」みたいな方法ではありません)。
何よりアーミル・カーンの怪演が素晴らしい。
彼が地球から持ち帰った物を知るラストには、思わず胸キュン(死語)。
観終わったら、きっと誰かに語りたくなる。
映画『PK』予告編