■「さよなら、さよならハリウッド/Hollywood Ending」(2002年・アメリカ)
監督=ウディ・アレン
主演=ウディ・アレン ティア・レオニー トリート・ウィリアムズ ジョージ・ハミルトン
未見だったウディ・アレン作品「さよなら、さよならハリウッド」鑑賞。
大手映画会社ドリームワークスの元で製作された本作は、
アメリカ映画界をおちょくるような皮肉に満ちたコメディ。
大手映画会社の実力者に妻を寝取られた自称天才映画監督。
不本意なCMの仕事ばかりで、テレビ映画の仕事はかつての有名監督にさらわれる、そんな冴えない日々を送っていた。
そこに元妻の助言から、大手製作の新作を監督するオファーがやってくる。
ところが神経質な彼は撮影直前、ストレスが原因で目が見えなくなってしまう。
これを隠し通すために騒動がもちあがる。
商業映画と芸術映画のあり方、
ゴシップにむらがる雑誌記者、
編集でどうにかしちゃう製作陣、
西海岸とニューヨーカーの気質の違い・・・映画好きならクスッと笑える小ネタが楽しい。
作家性と商業路線を両立させた存在としてヒッチコックが話題に出る場面あり。なるほどね。
そしてこの映画、"終わりよければすべて良し"な、ハリウッド的エンディングでありながら、
そこが絶妙な風刺になってる。
しかし、他の作品で見られるような強烈な毒に感じられないのが、どうも物足りない。
この映画の数年後、ウディ先生はヨーロッパで映画を撮るようになり、
しかもその最初がヒッチコックを思わせる「マッチポイント」だった。
それを考えると、この「さよなら、さよならハリウッド」が現実と重なるんだよな。
Hollywood Ending - Trailer
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